2024.07.10 20:33Nation

重視する「心のケア」 日本選手団、SNS対策も―パリ五輪

 パリ五輪では夏季大会の日本選手団として初めて、現地に「ウェルフェアオフィサー」と呼ばれる心のケアを行う4人の専門家が同行する。より良い環境づくりが目的で、医療部門の責任者を務める医師の土肥美智子副団長は、「最高のパフォーマンスが発揮できるようにサポートしたい」と頼もしい。
 アスリートの心の健康を重視する国際オリンピック委員会(IOC)の方針を受け、日本オリンピック委員会(JOC)は2022年北京冬季五輪で初めて専門家1人を現地に派遣した。過去にもオンライン上などでケアは行っていたが、同行することで「選手がより気軽に声を掛けられる」と土肥氏は期待する。
 ウェルフェアオフィサーは医務スタッフとともにパリなどの選手村に常駐し、心のトラブルに24時間体制で対応する。21年東京五輪では体操女子のスター、シモーン・バイルス(米国)が大会中に心の不調を訴えて話題になった。土肥氏は日本選手にも同様のケースが起こり得ると指摘。「本人の意思を尊重し、指導者やコーチと連携して対応したい」としている。
 近年はネット上での選手に対する誹謗(ひぼう)中傷も問題になっている。ウェルフェアオフィサーの鈴木和馬氏は暴力やハラスメントに関するIOCの研修を受けており、パリではSNSの問題を担当。鈴木氏は「選手が安心して競技に集中できるような環境を提供し、事前に相談できる体制を整えることが大事」と話す。
 SNS対策では、選手自身による不適切な投稿を防ぐことも重要だ。例えば、商品の広告であることを隠す「ステルスマーケティング(ステマ)」をしないよう、研修などを通じて注意喚起した。
 競技の合間に息抜きができるよう、昨年の杭州アジア大会では選手村に専用スペースを設けて日本の書籍やミニゲームなどを置き、好評だった。大舞台に臨む選手たちが安心、安全に力を発揮できるよう、さまざまな方面から支えている。 (時事)(2024/07/10-20:33)

2024.07.10 20:33Nation

Mental Health Experts to Join Japan Delegation at Paris Olympics


The Japanese delegation to the Paris Olympics, which begin later this month, will include four mental health experts to help create a better environment for Japanese athletes.
   It will be the first Summer Olympics where such experts, called "welfare officers," will accompany Japanese athletes.
   The welfare officers will "provide support so that (athletes) can perform at their best," said Michiko Dohi, a doctor who is deputy head of the Japanese delegation and in charge of medical affairs.
   In the 2022 Beijing Winter Olympics, the Japanese Olympic Committee sent a welfare officer for Japanese athletes there, in line with the International Olympic Committee's policy of emphasizing athletes' mental health.
   Previously, mental health services for Japanese athletes were provided online. But Dohi said it is "easier for athletes to talk" to accompanying experts.

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