「廃棄するしか」「補償は」　臨時休校、給食業者に打撃―食品ロス防ぐ動きも

　新型コロナウイルスの感染拡大による臨時休校は、小中学校に給食を納入する業者にとっても大きな打撃となった。３月分の受注を一方的にキャンセルされた経営者からは、「既に仕入れていた食材は廃棄するしかない」「補償はどうなるのか」と悲鳴が上がる。
　「地方の零細企業にとって、学校給食は大口の納入先。それが突然ふいになるとは」。東北地方の精肉業者の男性は、自治体からの突然の注文キャンセルに頭を抱えた。３月分の約２００万円の契約が白紙になり、既に仕入れていた肉も行き場がない。男性は「国は休校に伴う休業補償をするそうだが、われわれのような業者はどうすればいいのか」と憤る。
　生産する牛乳の７割が給食用という福岡県太宰府市の「永利牛乳」。長谷川敏社長（６５）は「１日当たり１２万本を給食用に納入してきたが、３月分の注文がキャンセルになり、６５００万円分の売り上げが消えた」と落胆する。
　仕入れた生乳の一部は脱脂粉乳などに転用もできるが、大部分は最悪の場合、廃棄するしかないという。長谷川社長は「今は工場を停止し、従業員には有給を取得させているが、４月以降はどうなるのか。先が見えない」と不安を隠せなかった。
　一方、給食中止による食品ロスを防ぐ取り組みも。愛知県一宮市は２日、給食のために事前発注していた野菜や果物を割安で販売する即売会を市役所前で実施した。市職員の発案だったが、すぐに長蛇の列ができ、大根２００キロ、にんじん１８０キロなどが完売したという。
　大手納豆メーカー「だるま食品」（水戸市）は、注文がキャンセルされた給食用納豆を本店での買い物客に無償配布するとツイッターで告知。大きな反響を呼び、初日で用意した１０００個全てがなくなった。担当者は「新型肺炎が一日も早く終息し、子供たちにまた給食を食べてもらえるように祈っている」と話した。（2020/03/04-07:19）

Government-requested nationwide school closures to fight the new coronavirus are causing heavy damage to suppliers of ingredients for school lunches in Japan.
   Sudden cancellations of school lunch-related orders for March are likely to force some companies to dispose of food already purchased for deliveries in the month.
   School operators "are big customers to tiny companies in rural areas," a butcher in the Tohoku northeastern Japan region said.
   The butcher said that a municipal government suddenly canceled a 2-million-yen deal for March. He has no idea what to do with the meat he already purchased.
   The emergency closures began at many schools across Japan on Monday, following Prime Minister Shinzo Abe's abrupt request last week. The measure is aimed at keeping the schools shut until the regular spring break ends in early April.