スーパーが営業短縮　人繰り難、牛丼はメニュー制限―臨時休校影響・新型肺炎

　新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、スーパーや牛丼など小売り・外食業界で営業時間短縮やメニューを制限する動きが広がり始めた。政府の臨時休校要請により小学生の子どもを抱える従業員が通常通りに出勤できず、人繰りに影響が出ているためだ。新型肺炎が人手不足に拍車を掛けた格好で、現場の店舗運営は厳しさを増している。
　食品スーパーのライフは、臨時休校でパート従業員らの出勤が制約を受けるため、２日から３１日まで全２７５店の開店時間を通常より３０分から１時間遅い午前１０時とした。閉店も約３割の店舗で１～２時間早める。担当者は「従業員の家庭の状況に配慮せざるを得ない」と苦しい胸中を明かす。
　全国で約１４０のショッピングモールを展開するイオンモールでも３日から、専門店街の営業時間を午前１１時～午後８時に短縮する。
　牛丼大手の「吉野家」は突然の休校の余波で出勤できない従業員の増加を想定し、一部店舗で牛カルビ丼など調理に時間がかかるメニューの提供を取りやめた。同じく「すき家」でも一部店舗でメニューを限定した営業を始めている。
　百貨店業界では感染リスク軽減を狙った営業時間の短縮が拡大。小田急百貨店、東武百貨店などが首都圏の店舗で新たに営業時間の短縮を決めた。都内の百貨店に勤める女性従業員は「政府も会社も、決定が突然すぎる」とこぼす。
　一方、臨時休校に備えたまとめ買いニーズの高まりから、各地の小売店では調理しやすく、保存が利く冷凍食品やインスタント麺の品切れが相次いでいる。大手スーパー担当者は「急激な売れ行きに配送が間に合わず品切れになっている店もあるが、マスクを除けば在庫に問題はない」と話し、消費者に落ち着いた購買行動を呼び掛けている。
　金融機関では、伊予銀行が愛南支店（愛媛県愛南町）の女性行員がウイルスに感染したことに伴い同支店の窓口業務を休止。朝日生命保険も札幌北営業所（札幌市）の女性職員の感染を受け、営業所の一時閉鎖を決めた。
　金融庁は、店舗の消毒などでやむを得ず閉鎖する場合でも別店舗での顧客対応を求めている。（2020/03/03-07:07）

Government-requested school closures to fight the new coronavirus are exacerbating manpower shortages at Japanese retailers and restaurants, forcing them to cut their business hours.
   Emergency closures of elementary to high schools began Monday in many parts of Japan as new COVID-19 cases are increasing. The measure is designed to keep the schools shut until the regular spring break ends in April.