債務問題、米国発危機も 日本「これ以上増やすな」―著名エコノミスト
【ワシントン時事】フランス出身の著名経済学者、オリビエ・ブランシャール元国際通貨基金(IMF)チーフエコノミストは、米国の債務膨張で米国債が信用を失い、世界的な金融危機に陥るリスクを警告した。また、日本の高い債務水準に言及し、「これ以上増やすべきではない」と訴えた。29日までに時事通信の書面インタビューに応じた。
ブランシャール氏は現在の世界的な高金利について、インフレが抑制された後に低下するものの、「コロナ前ほどの低さには戻らない」と予想。気候変動対策への投資が官民双方で増大するため、景気を加速も抑制もさせない「中立金利」の水準が高まると見込んだ。
また、米国が拡大的な財政政策を見直さず、「極めて大規模な基礎的財政赤字」を抱える中で、金利水準の上昇は、その債務負担を悪化させると分析。与野党対立もあり「支出を減らすか、増税するか、政治的な意志がない」と懸念を示した。
その上で、米債務が「ある段階で危機に陥ることを懸念している」と明言。投資家が疑念を持ち始めれば「米国債が安全な資産と見なされなくなり、世界の金融システムに大きな問題を引き起こしかねない」と警鐘を鳴らした。
同氏は一方、日本について「民間需要が極めて弱い場合、金利を非常に低く保ち、基礎的財政赤字を許容し、債務を増やすのは概して正しい戦略だ」と評価。ただ、「日本の債務水準は現時点で非常に高く、これ以上増やすべきではない」とくぎを刺した。
さらに、債務水準を制御するには「生産性を向上させるか、移民も含めて労働力を増やすかによって、成長拡大に取り組まなければならない」と提言。ただ「特効薬はない。成長促進策をすべて試み、一部が成功するのを期待するしかない」との見方を示した。(2023/12/29-15:34)
INTERVIEW: Ex-IMF Economist Warns of Global Financial Crisis
Renowned French economist Olivier Blanchard, chief economist at the International Monetary Fund from 2008 to 2015, has warned of a possible global financial crisis as a result of ballooning U.S. public debt.
Regarding Japan's massive public debt, Blanchard stated in a recent written interview with Jiji Press that it "should not increase much more."
On the fight against inflation, Blanchard expressed his belief that many countries will have to keep interest rates higher for one or two more years. The world will then return to low interest rates, "although probably not as low" as before the COVID-19 pandemic, he said.
He observed that the view is based on his assessment that most factors that explained pre-COVID low rates remain the same, with the one notable exception of investment. "Commitment to higher public and private green investment may lead to higher neutral rates," he elaborated.
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