2023.12.29 15:41Nation

高齢者の居場所づくり 「食」通じた交流支援―東京

 独り暮らしの高齢者が増加する中、地域の高齢者が集まり、飲食しながら交流する「シニア食堂」が各地で広まりつつある。東京都は今年度、シニア食堂の推進事業に乗り出した。食を通じた高齢者の「居場所づくり」に取り組む区市町村に開催費用を補助する。高齢者の孤立を防ぎ、心身の健康増進につなげてもらうことが狙いだ。
 同事業ではシニア食堂1カ所当たり最大56万円を支給。会食に加え、健康講座の開催や多世代交流の場なども補助対象に含める。これまでに目黒、荒川両区と奥多摩町に交付した。
 このうち、荒川区では2事業者が食堂を運営。その一つ、ボランティア団体によるシニア食堂「よりそい」は2023年7月オープンした。隣接する高齢者向け配食サービス事業者から会場や食材の提供を受け、1食400円で月4回開催。友人に誘われ食堂に通うようになったという女性(77)は「夫を亡くしたが、ここでいろいろな人と話すと元気をもらえる」と笑顔を見せた。
 目黒区は16年から区立特別養護老人ホームなどで「高齢者会食サービス」を開催している。こちらも1食400円で、現在は6カ所で週1~2回実施し、栄養士による食生活指導も行う。参加者は知人を誘って来たり、参加者同士で別の場所に出掛けたりすることもあるという。
 65歳以上の高齢化率が50%超の奥多摩町では23年、ボランティア団体の呼び掛けで二つの自治会が食堂を開き、いずれも20人以上が会食や交流を楽しんだ。
 都の推進事業は開催団体からおおむね好評な一方、ある関係者は「周知が足りない」と語る。運営責任者の高齢化による「後継者不足」も懸念され、継続開催できる仕組みづくりが課題の一つとなっている。(2023/12/29-15:41)

2023.12.29 15:41Nation

"Senior Cafeterias" Spreading to Support Elderly in Japan


So-called senior cafeterias, where elderly people from the local community gather and dine together, are increasing in Japan amid an increase in elderly people living alone.
   The Tokyo metropolitan government launched a subsidy scheme this fiscal year for municipalities promoting local dining events where elderly people feel they belong.
   The scheme is aimed at preventing social isolation among the elderly and promoting their mental and physical health.
   The metropolitan government provides up to 560,000 yen per senior cafeteria. In addition to group dining events, the subsidy also covers health lectures and events for people of different generations to interact.
   The subsidy has so far been given to Meguro and Arakawa wards as well as the town of Okutama.

最新ニュース

写真特集

最新動画