大坂被告に懲役２０年　「一方的な暴行、非道」―渋谷暴動事件・東京地裁

　１９７１年に東京・渋谷で警察官が殺害された渋谷暴動事件で、殺人や現住建造物等放火などの罪に問われた過激派「中核派」のメンバー、大坂正明被告（７４）の判決が２２日、東京地裁であった。高橋康明裁判長は「無抵抗の被害者を一方的に暴行した残虐かつ非道な犯行だ」として、懲役２０年（求刑無期懲役）を言い渡した。大坂被告側は即日控訴した。
　これまでの公判で、大坂被告は新潟県警から派遣されていた中村恒雄巡査＝当時（２１）、警部補昇任＝殺害への関与を否定。「指名手配、逮捕、起訴、全て不公正で理不尽だ」などと無罪を主張していた。
　高橋裁判長は、事件から数年以上たって行われた共犯者の裁判での証言や、約５０年を経て行われた今回の公判での証人尋問には記憶の減退や変容があり、事件直後の供述調書の方が信用性が高いと判断。暴動に加わった６人の調書などを基に、起訴された全ての罪について有罪とした。
　大坂被告は、暴動を指揮した星野文昭元受刑者＝服役中に病死＝を補佐して集団に指示を与える立場だったと指摘。中村巡査殺害について「大坂被告自身も殺意を持って鉄パイプで殴打し、火炎瓶を投げた共犯者らと共謀して死亡させた」と認定した。
　その上で、「無抵抗の被害者に多数の者が一方的に鉄パイプで殴打するなどの苛烈な暴行を加え続け、致命傷を負わせた犯行態様は残虐かつ非道だ」と批判した。
　判決によると、大坂被告は７１年１１月１４日、多数の学生や労働者らと共謀し、東京都渋谷区で警察官を火炎瓶や鉄パイプで襲撃。中村巡査を殺害し、３人にけがをさせるなどした。（2023/12/22-18:12）

Tokyo District Court on Friday sentenced a 74-year-old member of a Japanese radical group called Chukaku-ha to 20 years in prison over a 1971 riot in Tokyo's Shibuya Ward that left a policeman dead.
   The defense of Masaaki Osaka, who was charged with murder and other crimes, appealed the ruling immediately. Prosecutors had demanded an indefinite prison term.
   In handing down the sentence, Presiding Judge Yasuaki Takahashi said, "It was a cruel and outrageous act of unilateral assault against a non-resisting victim."
   According to the ruling, Osaka conspired with a number of students, workers and others to attack policemen with firebombs and steel pipes on Nov. 14, 1971, injuring three and resulting in the death of Tsuneo Nakamura, a 21-year-old officer from the Niigata prefectural police department.
   In his trial, Osaka denied involvement in the murder and pleaded not guilty.