2020.02.12 07:05Nation

高齢者施設、集団感染警戒し対策徹底 専門家「医療機関と連携密に」―新型肺炎

マスクをして介護に当たる老人ホーム職員ら=7日、千葉市

マスクをして介護に当たる老人ホーム職員ら=7日、千葉市

 新型コロナウイルスによる肺炎が広がる中、全国の高齢者施設が集団感染防止の対策に力を入れている。「やり過ぎなくらいに徹底する」。罹患(りかん)した場合は重症化が懸念されるだけに、神経をとがらせる。
 約170人が入居する老人ホーム「和陽園」(千葉市)ではウイルスを持ち込まないように、職員に勤務時のマスク着用と、検温や手洗いうがいを指示している。園内各所にはアルコール消毒液や加湿器を設置。インフルエンザと同じ対策だが、高橋浩士園長(58)は「やり過ぎなくらい徹底している」と力を込める。職員の対馬孝子さん(52)も「園外でも手洗いうがいを徹底している」と余念がない。
 「スタッフには人混みを避けるように指導している」。介護付き有料老人ホーム「おあしす長丘」(福岡市)の管理者、石井義明さんは話す。感染症予防策としてインフル対策に努めているが、「他に特別なやり方があれば教えてほしい」と語った。
 大阪市で5施設を運営する会社の男性幹部(42)は、「高齢の方を相手にする以上、感染症には注意しなければならない」と気を引き締める。職員には少しでも体調が悪いときは仕事を休むよう指示し、入居者の家族であっても体調が悪ければ面会を断っているという。
 厚生労働省は新型ウイルスについて、「不明な点も多く、最新かつ正確な情報を収集してほしい」と全国の施設に要請。「感染経路を絶つことが重要だ」と訴え、手洗いやアルコール消毒などの徹底を求めている。
 東京医療保健大大学院の菅原えりさ教授(感染制御学)は「すぐにできる対策は、せきエチケットや手洗いなどインフル予防と同じ」と指摘。感染症の専門家を抱える施設は少ないことから、「専門医らを置く地域の医療機関と連携を深め、いつでも相談できる態勢をつくれば心強い」と話している。(2020/02/12-07:05)

2020.02.12 07:05Nation

Elderly Facilities Bracing for Mass Infection with Coronavirus


Operators of facilities for elderly people in Japan are taking full-fledged measures to prevent mass infection among users with the new coronavirus originating in Wuhan in China's Hubei Province.
   They are concerned that once elderly people get the virus, their symptoms tend to become serious.
   Workers at Wayoen, a home for the elderly in the city of Chiba, east of Tokyo, have been instructed to make sure that they wear masks, check their temperatures, and wash hands and gargle while on duty, so as not to bring in the virus.
   Alcohol disinfectants and humidifiers are installed at many places in the facility, where about 170 people live. While these are the same as measures against influenza, Hiroshi Takahashi, 58, head of the elderly home, said, "We're taking thorough measures although they may be too much."
   "I see to it that I wash my hands and gargle also outside of the facility," Wayoen worker Takako Tsushima, 52, said.

最新ニュース

写真特集

最新動画