初の警察官ユーチューバー誕生！　「堅いイメージ拭いたい」―手作り感演出、撮影は試行錯誤・警視庁

　警視庁に「日本初の警察官ユーチューバー」が誕生した。防犯がテーマの漫画のせりふを考えたり、同庁サイトで公開しているゲームを体験したりする動画５本をこれまでに投稿。出演する２人は「警察の堅いイメージを払拭（ふっしょく）したい」と意気込む。
　官公庁では、農林水産省職員が農山漁村の魅力などを発信する動画チャンネルが登録者数１６万６０００人に上る人気を集めている。後に続けとばかりに、警視庁広報課も１月、本格的に検討を開始。約１０カ月間の構想と準備を経て、警察官が登場する動画「メトポリ」を１１月に初投稿した。
　出演、編集を担うのは広報課の吉田直矢巡査長（２８）で、「警察の負の３Ｋ（堅い・怖い・厳しい）を明るく・面白く・楽しいにしたい」と語る。動画では卓上に「警察官ＹｏｕＴｕｂｅｒ」と手書きした名札を置き、親しみやすいよう「目玉焼きはしょうゆ派」と自己紹介した。段ボールをピラミッドのように組み合わせて警察官の階級の仕組みを説明するなど、演出にも工夫も凝らす。
　制作は試行錯誤の連続だ。初回の撮影ではカメラのそばにせりふを書いた紙を用意しても言い間違え、目線は下がり、撮り直しは１０回以上に及んだ。数分の動画１本に十数時間かかったこともある編集も吉田巡査長が一人で担当。徐々に顔が知られるようになり、散髪に行くと「もしかして…」と声を掛けられ、「うれしさと共に怖さもこみ上げた」と語る。
　共に出演する「目玉焼きはソース派」の西川愛理主任（３４）は警察行政職員だ。警察の堅いイメージの一掃を目指す一方、「人を傷つける表現はないか」と気を配る。「しょうゆ派、ソース派」も、視聴者の否定につながらないように配慮したという。
　動画の企画は毎回、広報課の職員数人で検討している。昼食を取りながらアイデアを出し合ったり、前の晩に思いついた案を出勤早々ぶつけたりすることもある。
　２０１６年から始まったユーチューブの警視庁公式チャンネルの登録者数は約４万３５００人。「メトポリ」の初投稿以降、登録者は約４６００人増えた。今後も、月２～３本のペースで投稿するといい、吉田巡査長は「登録者数の目標は１０万人」と力を込める。（2022/12/17-13:32）

Two Tokyo police officers have launched a YouTube video series in an effort to make the police appear more friendly in the eyes of citizens, becoming the first police YouTubers in Japan.
   The two officers at the Metropolitan Police Department's public relations division have so far uploaded five clips in the "Metopoli" series on the MPD's YouTube channel.
   The move by the MPD came as a YouTube channel run by staff at Japan's Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries, Buzz Maff, has become popular, garnering about 166,000 subscribers so far.
   The first Metopoli video was posted in November after 10 months of planning and preparation.
   "I'd like to transform the 'negative 3 Ks' of 'katai' (rigid), 'kowai' (scary) and 'kibishii' (strict) of people's perception of the police into 'akaruku' (cheerful), 'omoshiroku' (amusing) and 'tanoshii' (fun)," said Naoya Yoshida, a 28-year-old officer who stars in and edits the Metopoli series.