「防災の大切さ伝える」 兵庫、専門科1期生の岸本さん―阪神大震災25年
阪神大震災を機に、全国で初めて防災を専門に学ぶ「環境防災科」が設置された兵庫県立舞子高校(神戸市垂水区)。2002年入学の1期生、岸本くるみさん(32)は「震災を体験していない世代に防災の大切さを伝えたい」と、高校での学びを糧に、防災の現場で活動を続ける。
1995年1月17日、小学2年だった岸本さんは、ゴーッという「聞いたことのない地響きのような音」で跳ね起きた。同市兵庫区のマンション7階の部屋は激しく揺れ、棚から食器が落下。夜が明けると、あちこちで電柱が倒れ、火の手が上がっているのが見えた。「怖かった」。電気とガスが止まり、西区の親戚宅に身を寄せた。楽しみだった学校は約1カ月間休校した。
高校進学まで、周囲には被災した友達しかおらず、震災を意識することはなかった。環境防災科を選んだのも「物珍しさに引かれたから」。しかし、被災経験のない友人と出会い、「自分の異常な経験は広く伝えるべきだ」と気が付いた。
授業では、防災の専門家やNPO関係者の講義などを聞き、ネパールで現地の防災事情を学んだ。神戸学院大でも防災を専攻。国内外の被災地でボランティア活動に携わり、14年に震災の教訓を伝える「人と防災未来センター」(中央区)に就職した。
現在は、母校の大学で社会防災学科の実習助手を務める。南海トラフ地震の対策を進める和歌山県に学生を引率したり、仙台市で開催された防災フォーラムで地元高校生と交流したりした。
昨年12月、岸本さんは神戸市の中学校で講演。震災当時の恐怖や小学校の友達を亡くしたことを話し、「大切にしている人、ものを失うのはつらい。守るために何ができるか考えることが防災につながる」と呼び掛けた。17日には母校の小学校で、全児童に向け防災教育を行う。「思いも寄らないことが起きるのが災害。体験していない若い世代にも知ってもらい、備えてほしい」と願う。
「震災後に生まれた世代に、当時の様子をもっと知りたいと言ってもらえるのが励み」と話す岸本さん。防災の大切さを次の世代につなぐ役割を担う覚悟だ。(2020/01/15-13:06)
25 Years On: New School Course Fosters Dedication to Disaster Prevention
In the wake of the catastrophic predawn Kobe earthquake in January 1995, a high school in the western Japan city opened a special course on disaster prevention for the first time in the country.
Kurumi Kishimoto, 32, was one of the first students who entered the course at Hyogo Prefectural Maiko High School in the city's Tarumi Ward in 2002.
She was a second-grader at a local elementary school when the earthquake occurred on Jan. 17, 1995.
Kishimoto says she was awakened abruptly by "earth-rumbling sounds" that she had never heard. Her family's seventh-floor apartment in Kobe's Hyogo Ward was shaken violently, with dishes falling from shelves. As dawn was breaking, Kishimoto was "terrified" to see collapsed power poles and fires rising here and there.
As the apartment lost power and gas supply, she temporarily stayed at a relative's home in the city's Nishi Ward. Her elementary school was closed for about a month after the disaster that killed more than 6,400 people in Kobe and nearby areas and injured over 43,000 others. It was the first quake that registered 7, the highest reading on the 10-notch seismic intensity scale used by the Japan Meteorological Agency.
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