5度目W杯、選手の胃袋支え 「最後の大会」思い胸に―代表専属シェフ西さん
サッカーワールドカップ(W杯)に挑む日本代表を5大会連続で支える人がいる。専属シェフの西芳照さん(60)だ。カタール大会は中東ならではの食材制限もあるが、準備は万端。「今回が最後の大会」との思いを胸に、工夫を凝らして選手たちの胃袋を支える。
ハンバーグ、銀ダラの西京焼き、ウナギ―。試合3日前からの必勝メニューとして定着しており、西さんは「出さないとおかしなことになる」とほほ笑む。
2004年以降、130回以上の海外遠征に同行。10年の南アフリカ大会では、高地対策として鉄分が多く含まれる料理を作るなど、「その時々の条件に合わせて提供してきた」
今回は宗教上の理由で、豚肉の持ち込みが禁止されている。ビタミンB1が多く含まれ、疲労回復には欠かせない食材だが、牛や鳥のレバー、ウナギなどで補う予定だ。
選手自身も食事には気を使う。中でも、長友佑都選手(36)の栄養に関する知識は、西さんも舌を巻くほどだ。「青魚を多めに出してほしい」とリクエストされたり、「この揚げ物は新しい油を使っていますか?」と聞かれたりするという。
今年1月に還暦を迎えた西さん。3月のアジア最終予選オーストラリア戦の前夜に、選手たちから赤色のシェフコートをプレゼントされた。西さんは「負けたら終わりの大事な試合の時に…」と苦笑する。だが勝利し、W杯の切符をつかんだことで、「縁起物」となった。選手たちとはW杯でも着る約束をした。
9月のドイツ遠征後にはドーハに立ち寄り、宿泊先のホテルを下見した。厨房(ちゅうぼう)や食事会場は整っており、現地のスタッフも友好的だった。「これまでにない良い環境」と手応えを感じている。
「いつの間にか迎えた」という5度目のW杯。これが最後との思いがある。「選手の皆さんは食事だけが楽しみだと聞く。おいしい料理を出して、良い雰囲気をつくりたい」と意気込む。(2022/11/16-14:17)
Japan Men's Soccer Team Chef Ready for 5th, Final World Cup
Yoshiteru Nishi, the 60-year-old team chef for Japan men's soccer team, is ready to satisfy their appetite at his fifth and final FIFA World Cup, which will kick off in Qatar on Sunday.
Nishi said there is a fixed menu for the three days leading up to a match, featuring hamburger steak, grilled sablefish marinated with miso paste and "unagi" eels. "If I don't serve this particular menu, everything will go wrong."
Nishi has taken over 130 trips overseas with the national team for matches since 2004.
He recalls cooking dishes rich in iron to counter any negative physical effects from high altitudes at the 2010 World Cup in South Africa. "I've provided (the team with food) in line with the situation," he said.
Teams are not allowed to bring pork products with them into the Muslim country for the 2022 World Cup, due to religious reasons. Pork is high in vitamin B1, and perfect to help the body recover.
最新ニュース
-
日本、バーレーンに勝利=ハンドボール男子
-
堀島行真は6位=W杯モーグル
-
M・マンソンさん訴追せず=性的暴行容疑、証拠不十分―米
-
小笠原、ナショナルズと2年契約=中日からポスティング―米大リーグ
-
ルビオ氏「米国第一」の対中関係追求=王氏、台湾問題でけん制―外相会談
写真特集
-
【野球】イチローさん
-
【スノーボード男子】成田緑夢
-
【カーリング】藤沢五月
-
【高校通算140本塁打の強打者】佐々木麟太郎
-
【駅伝】第101回箱根駅伝〔2025〕
-
【野球】慶応大の4番打者・清原正吾
-
【競馬】女性騎手・藤田菜七子
-
日本人メダリスト〔パリパラリンピック〕