連続児童殺傷、加害者の全記録廃棄 「適切でなかった」―神戸家裁
神戸市須磨区で1997年に起きた連続児童殺傷事件で、14歳で逮捕され、少年審判を受けた加害男性の全ての事件記録を神戸家裁が廃棄していたことが20日、家裁への取材で分かった。家裁は廃棄の経緯や時期などは不明とした上で、「現在の運用からすると、適切ではなかった」としている。
廃棄されたのは、少年審判の処分決定書など全ての事件記録。当時の捜査資料や精神鑑定書が含まれるとみられる。廃棄により、非公開だった審判の過程を検証することが不可能になった。
最高裁は少年事件の記録について、その少年が26歳に達するまで保存するよう内規で規定。ただ、「全国的に社会の耳目を集めた事件」や「世相を反映した事件で史料的価値の高いもの」などは、「特別保存」に指定して事実上、永久に保存するよう定めている。
家裁によると、97年の事件を一覧でまとめた事件簿が2019年に廃棄されていた。家裁は、加害男性が26歳に達した08年から、19年までに事件記録が廃棄された可能性があるとみている。
事件では97年2~5月、小学生5人が相次いで襲われ、4年の山下彩花さん=当時(10)=と6年の土師淳君=同(11)=の2人が殺害された。加害男性は神戸家裁での少年審判を経て医療少年院に収容され、05年に本退院した。事件は少年法改正の契機となり、刑事処分可能な年齢が14歳に引き下げられるなどした。
淳君の父守さんは「資料を残しておくのは当然。後で検証できるように残しておくべきだ」とした上で、廃棄について「今後のためにきちんと調査するべきだ」とコメントした。(2022/10/20-17:52)
Court Discarded All Records of 1997 Kobe Serial Child Attacks
All criminal records of a man over a series of attacks on children in Kobe, western Japan, in 1997 have been discarded by a local family court, it was learned Thursday.
Kobe Family Court said that why and when the records were discarded is unknown. The disposal of the records was inappropriate under current operational rules, the court in the Hyogo Prefecture capital said.
In the cases, five elementary school children were attacked in Kobe's Suma Ward between February and May of 1997, with two of them--a fourth-grade girl and a sixth-grade boy--murdered. The man in question was arrested at the age of 14, put on a juvenile trial at the court and sent to a juvenile medical treatment facility. He fully left the facility in 2005.
The serial attacks led to a revision of the juvenile law, which lowered the age at which people can be criminally punished to 14.
The records discarded by the court are believed to have included documents on the result of the juvenile trial, investigations by law-enforcement authorities and the outcome of a psychiatric evaluation conducted on the man.
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