日本経済、中東リスク拭えず 原油上昇、成長率押し下げ
イランによる対米報復攻撃で高まっていた両国の全面衝突の危機は、双方が一段の軍事行動に抑制的な姿勢を示したことで、ひとまず回避された。だが、偶発的衝突が大規模な戦闘に発展する恐れは残る。原油価格が2割上がれば、日本の成長率は0.1ポイント押し下げられるとの試算もあり、原油輸入の約9割を中東に依存する経済に大きな打撃となるリスクは拭えない。
原油先物相場は、イランの攻撃を受け米国産WTIが昨年4月以来の水準となる一時65ドル台に急騰したが、日本時間9日には60ドルを割り込む水準に下落。市場や石油業界では今のところ、WTIの上限は70ドル程度で、中東情勢緊迫化の影響は限定的と見る向きは多い。
しかし、米国は経済制裁の強化を表明し、イランも核合意の上限を超えてウランを濃縮する方針を示しており、「緊張解消は見込めず、原油価格上昇リスクを意識しておく必要がある」(SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミスト)。丸山氏によると、原油価格が20%上昇すると、個人消費が0.2~0.3ポイント程度、実質国内総生産は0.1ポイント程度押し下げられるという。
こうした状況を踏まえ、経済界からは「輸入に依存しないエネルギー源をどうつくっていくか真正面から議論する必要がある」(中西宏明経団連会長)との声も上がる。ただ、原発の再稼働が急速に進むことは見込めず、再生可能エネルギーの導入も時間を要す。今夏の東京五輪・パラリンピック後の景気低迷が懸念される中、日本経済は新たな不確定要素を抱え込んだ格好だ。(2020/01/10-07:11)
Japan Economy Still Beset by Middle East Risks
The Japanese economy remains beset by Middle East risks, even though Washington and Tehran have backed away from further military action, giving a breather to crude oil prices.
Japan's heavy reliance on crude oil from the Middle East ties the fate of the economy to the volatile region.
Both the United States and Iran signaled their intention not to take further military action at least for now, after the Middle East country's retaliatory missile attack on military bases housing U.S. troops in Iraq on Wednesday.
But worries remain that an accidental clash between the two sides could snowball into a full-blown armed conflict.
Japan certainly has a reason to worry. Some 90 pct of its crude oil imports come from the Middle East. An estimate says that a 20 pct rise in crude oil prices would push down Japanese economic growth by 0.1 percentage point.
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