ロックスター、故郷に貢献　特製年賀状、毎年フェス―地元愛にうれしい悲鳴

　ロックスターがふるさとの町おこしに一役買っている。市報に登場すれば全国から問い合わせが殺到し、自作の応援ソングで地元アピールも。知名度向上と経済的波及の相乗効果は大きく、自治体の担当者は「まるでパニック状態だ」とうれしい悲鳴を上げる。
　ロックバンド「Ｌ’Ａｒｃ～ｅｎ～Ｃｉｅｌ（ラルクアンシエル）」のボーカルで、ソロでも活躍するＨＹＤＥさんは２０１９年１月、出身地和歌山市のふるさと観光大使に就任した。同級生らの推薦を受け市が打診すると、本人が無償での協力を快諾した。
　「反響は予想以上だった」（市担当者）。市報の表紙にＨＹＤＥさんを起用したところ、全国から「送ってほしい」といった問い合わせが１２００件超殺到した。別の市担当者は「電話が鳴りやまず、パニックのような状態になった」と振り返る。

　ＳＮＳ上での強い発信力も魅力だ。ＨＹＤＥさんはツイッターで、和歌山の観光地やご当地グルメをたびたび投稿。お気に入りという緑茶製造会社「玉林園」（和歌山市）の抹茶アイス「グリーンソフト」は、ネットで話題になり、県外から足を運ぶ客も増えた。同社の広報担当者は「広めていただき、本当にありがたい」と笑う。
　和歌山県内の郵便局は、地元コンサートの写真を使った特製年賀状を発売し、人気に。ＨＹＤＥさんがデザインした大阪―和歌山間を走る南海電鉄のラッピング車両の運行式典では、駆け付けた２０代の女性ファンが「何回も乗って和歌山に行きたい」と熱く語った。
　滋賀県出身の「Ｔ．Ｍ．Ｒｅｖｏｌｕｔｉｏｎ（ティーエムレボリューション）」こと歌手の西川貴教さんは０９年以降、ふるさと観光大使として県内でロックフェスを開催。毎年１０万人前後が集まる人気ぶりで、県に寄付した売り上げの一部は、総額２６５０万円に上る。
　竹下登元首相の孫でロック歌手のＤＡＩＧＯさんは１３年から２年間、祖父の地元島根県のＰＲ大使を務めた。自作の島根応援ソングを披露するなど、観光ＰＲに力を入れた。（2020/01/04-13:34）

"Our phones rang off the hook, sending us into a state of panic," an official of the Wakayama city government says while describing a situation in the office after the city's newsletter featuring native rock star HYDE on its front cover was published.
   HYDE, the lead vocalist for the rock band L'Arc-en-Ciel who also has a solo career, is one of Japanese rock musicians actively promoting their hometowns and prefectures.
   He willingly accepted a request from the Wakayama municipal government for assuming the role of tourism ambassador for the western Japan city for free in January 2019 and appeared on the front cover of the March issue of City Report Wakayama.
   "The response to the newsletter was beyond our imagination," another city official recalls.
   The Wakayama municipal government received over 1,200 inquiries about the monthly newsletter from all over the country, including from people wanting a copy, according to the official.