2022.08.29 13:31Nation

元アスリートに企業が熱視線 「第二の人生」支援で人材確保

 人材確保に奔走する企業が、引退した元アスリートに熱い視線を送っている。深刻な人手不足を補うためだけでなく、厳しい競争を戦い抜いた貴重な経験をビジネスの世界で生かしてもらうのが狙いだ。就職先のあっせんや研修などで「第二の人生」を支援するビジネスも広がる。
 モスフードサービスは、現役を退いたスポーツ選手を大手ハンバーガーチェーン「モスバーガー」のオーナーに育成する取り組みを始めた。創業50年を迎えた同チェーンは、加盟店のオーナーが高齢化。世代交代が店舗網を維持する上で課題になっている。
 そこで目を付けたのが元アスリートだ。中村栄輔社長は「一つのことに集中した経験がある人は仕事に真摯(しんし)に取り組む」と期待を寄せる。応募者は入社後1年間、店舗運営の基礎を学んだり、実地研修を受けたりして独立・開業を目指す。
 大手人材派遣のパソナグループは今年3月、元選手だけでなく、引退後を見据えた現役アスリートも対象に、契約社員の募集を始めた。現役選手は7月末時点で計10人を採用。兵庫県の淡路島などで、サッカーやアイスホッケーの選手が仕事と競技を両立させている。
 引退後の就職先を紹介するほか、社会人としての基礎やビジネススキルを養う研修を行っているのは、就職情報大手のマイナビ(東京)。担当者によると、「スポーツで培った自分の強みや、それを引退後にどう生かせるのかが分からないケースが多い」といい、こうした点をアドバイスしている。
 一方、プロスポーツチームの運営側は人材不足が長年の課題。運営スタッフは一人で何役もこなすのが当たり前で、Jリーグのクラブ関係者は「若い人材を育てる余裕がない」とこぼす。
 こうした事情を踏まえ、チケット販売大手のぴあは昨年、スポーツビジネスを学ぶ有料講座をスタート。チケットの販売管理やスタジアム運営のノウハウを学んだ1期生22人のうち、7人がラグビーチームなどに就職した。(2022/08/29-13:31)

2022.08.29 13:31Nation

Retired Athletes Catching Japanese Firms' Eyes


Companies in Japan, struggling to secure competent workers, are looking intensely at retired athletes, expecting that their precious experience from competing in the sporting world can be used in the business world.
   Services to support former athletes with their second careers are also spreading, such as helping them find jobs and providing vocational training to them.
   Mos Food Services Inc. has started a program to train retired athletes to be franchise owners of its Mos Burger fast food restaurant chain.
   The move comes at a time when Mos Burger is facing the aging of existing owners 50 years after its establishment and the need to promote a generational shift among its owners to maintain its restaurant network.
   Referring to a feature of former athletes, Mos Food Services President Eisuke Nakamura said, "People who have focused on one thing in their lives tend to tackle their jobs faithfully."

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