全町避難の双葉町、一部住民帰還へ 復興拠点の指示解除、課題も―原発事故から11年半・福島
東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域のうち、福島県双葉町の「特定復興再生拠点区域」(復興拠点)の避難指示が30日午前0時、解除された。原発立地自治体の双葉町は、県内で唯一全町避難が続いていた。事故から約11年半で町内での居住が可能となり、一部住民は帰還する。
ただ、復興庁などが実施した意向調査では、帰還を希望する町民は1割にとどまる。町面積の85%は依然として避難指示が継続しており、復興に向けた課題は多い。
今回解除された復興拠点は、JR常磐線双葉駅周辺の約5.55平方キロで、町面積の約1割に相当する。事故前は商店街や図書館などがあり町の中心部だった。
町は今後、駅周辺を中心としたまちづくりに取り組む。駅西側では公営住宅や診療所の整備が進み、東側には町役場の新庁舎が建設され、来月5日に業務を再開する。商業施設や交流施設も整備する予定で、コメの試験栽培にも取り組み、2025年の営農再開を目標にしている。
11年3月の原発事故前、同町には約7100人の住民がいたが、今年1月から実施された準備宿泊の登録者数は今月26日時点でも52世帯85人。避難先での定住を決めた人も多く、町は5年後に人口2000人を目指すが、実現のめどは立っていない。
復興拠点以外の避難指示解除も課題となっている。今回解除された駅周辺のほか、20年3月には町北東部の中野地区などが先行して解除されたが、51.42平方キロの町面積のうち、西部全域など43.67平方キロは指示が継続する。国は年内にもこうした地域の元住民に意向調査を実施し、帰還の意思を示す人がいた場所を優先して24年度からの除染開始を目指している。
県内6町村に設けられた復興拠点は、今年6月に葛尾村と大熊町で避難指示が解除された。浪江町、富岡町、飯舘村もそれぞれ来春に解除が予定されている。(2022/08/30-01:20)
Evacuation Order Lifted for Part of Fukushima N-Plant's Host Town
The Japanese government on Tuesday lifted its nuclear evacuation order for part of Futaba, a town in the northeastern prefecture of Fukushima, allowing people to live there for the first time since the March 2011 nuclear disaster.
Futaba, one of the two host towns of Tokyo Electric Power Company Holdings Inc.'s tsunami-crippled Fukushima No. 1 nuclear plant, was the last remaining Fukushima municipality entirely under the evacuation order.
The evacuation order now covers 85 pct of the town.
Meanwhile, only 10 pct of Futaba's former residents wish to return to the town, according to a survey conducted mainly by the Reconstruction Agency.
On Tuesday, the evacuation order was removed for a "reconstruction base" zone around Futaba Station on East Japan Railway Co.'s Joban Line. The area totals around 5.55 square kilometers, accounting for some 10 pct of the town. Before the nuclear accident, the area with shopping streets and facilities including a library was the center of the town.
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