共生社会、脱炭素レガシーに 恒久施設の赤字、課題も―東京五輪開幕1年
東京五輪の開幕から23日で1年となった。新型コロナウイルスの緊急事態宣言下で行われた大会について、小池百合子都知事は「厳しい状況で開けただけでも非常に重要」と評価。共生社会の実現や脱炭素化などをレガシー(遺産)として発展させる考えだ。一方で大会では巨額の開催経費が批判を浴びたほか、赤字が見込まれる施設の活用方法など課題も残る。
都は2月、大会の成果を踏まえ、総合計画「『未来の東京』戦略」を改訂。共生社会など「無形のレガシー」を重視する。大会で約9万人が活躍し、高い評価を得たボランティアもその一つで、活動の募集や情報交換ができるサイト「ボランティアレガシーネットワーク」には、昨秋以降約9000人が登録。今年6月には応援セミナーを開くなど裾野の拡大を目指す。
ハード面では、大会会場周辺の駅のホームドアや電車・バスの車椅子スペース設置などバリアフリーの進展をアピール。都幹部は「共生社会をつくっていこうという意識が、人々の間でごく自然になった」と強調する。
聖火台の燃料に水素を初めて使い、燃料電池自動車(FCV)475台を活用するなど大会は脱炭素化も印象付けた。都は2050年の温室効果ガス排出ゼロに向け、現在23カ所ある都内の水素ステーションを25年度に倍以上に増やす目標を立てる。
一方、大会の開催経費は組織委員会がまとめた分だけでも1兆4200億円に及び、招致段階で示された7300億円の倍近くに増えた。都が整備した恒久競技施設6カ所のうち「東京アクアティクスセンター」「海の森水上競技場」など5カ所で年間計11億円の赤字が見込まれる。
小池氏は「収益とは別の世界、パブリック(公的)な施設」とも述べ、赤字の容認も示唆。都は国際大会の誘致を目指しつつ「使いやすい料金にして多くの人に利用してほしい」(担当者)考えで、市民向けイベントなども計画し、来場者増を目指す。しかし赤字額の試算はコロナ禍前のもので、感染拡大による利用減でさらに膨らむ恐れもある。(2022/07/24-07:22)
A Year After Olympics Open, Tokyo to Build on Legacies
One year after the July 23 opening of the Tokyo Olympic Games, the Tokyo metropolitan government plans to build on legacies such as an inclusive society and decarbonization.
Tokyo Governor Yuriko Koike has praised the very fact that the Tokyo Games, originally scheduled for the summer 2020, were held amid the COVID-19 pandemic.
"The fact that we were able to hold (the Games) in a tough situation is very important," Koike said. Tokyo was under a COVID-19 state of emergency while the Tokyo Olympics and Paralympics were held.
On the other hand, Tokyo has been criticized over the ballooned costs to host the Games. It also needs to work on how to make use of permanent facilities developed for the Games that are expected to be loss-making.
In its comprehensive strategy, updated in February to take account of what was achieved during the Olympics and Paralympics, the metropolitan government gives weight to intangible legacies including an inclusive society.
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