自衛隊施設、旧耐震基準が4割 予算不足で対策遅れ―防衛省
防衛省が全国に所有する庁舎や倉庫、管制塔などの自衛隊施設2万3254棟のうち、4割余りの9875棟が建築基準法改正前の旧耐震基準で建てられていることが16日、同省のまとめで分かった。このうち8割が耐用年数を過ぎているが、予算が足りず建て替えや耐震化工事が追い付いていない。年末に向けて本格化する防衛費増額に向けた議論でも取り上げられそうだ。
戦前に造られた建物も589棟ある。陸上自衛隊仙台駐屯地(宮城県)では1943年に完成した建物が倉庫として使用されており、老朽化により外壁が破損している。海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿児島県)にある36年建設の庁舎や倉庫は、コンクリートにひびが入った状態のまま使われている。
旧耐震基準の建物については、耐震診断を受け必要な対策を取ることが「努力義務」となっているが、防衛省が耐震化工事を実施したのは全体の3.4%の339棟にすぎない。今年度予算には耐震化や老朽化対策として計487億円を計上したものの、予算不足で対応できていないのが実情だ。
政府が6月に閣議決定した経済財政運営の基本指針(骨太の方針)には、重点項目として「隊舎・宿舎の老朽化対策」が盛り込まれた。防衛省関係者は「戦闘機購入のような見栄えのいい施策ばかりに目が行くが、こういうところにこそお金を使うべきだ」と強調する。(2022/07/16-13:32)
40 Pct of SDF Facilities Awaiting Seismic Upgrades
Over 40 pct of Japanese Self-Defense Forces facilities owned by the Defense Ministry across Japan were built under old seismic standards used before the country's building standards act was revised, a ministry report showed Saturday.
Of the 23,254 SDF buildings, storehouses, air traffic control towers and other facilities, 9,875 were constructed under the old seismic standards and 80 pct of the old-standard facilities are past their estimated service lives, according to the report.
But the ministry has been failing to rebuild the old facilities or conduct seismic strengthening work for them due to budget shortages, sources familiar with the situation said.
The issue is likely to be taken up in discussions on increasing the country's defense spending, which are set to come into full swing toward the end of the year.
Among these old SDF facilities, 589 were built before World War II.
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