両陛下、即位後初の被災地　台風被害の住民いたわる―宮城・福島

　天皇、皇后両陛下は２６日、台風１９号による被災者を見舞うため、被害の大きかった宮城、福島両県を日帰りで訪問された。両陛下の被災地訪問は即位後初めて。
　両陛下は同日午前、羽田空港発の特別機で仙台空港に到着。午後に自衛隊のヘリコプターで同県丸森町へ入った。最初に阿武隈川の支流が氾濫した五福谷地区を視察。パネルを手にした町長の説明に聞き入った。
　その後、近くの応急仮設住宅に移動し、被災者や救助に当たった警察、消防、自衛隊などの関係者と懇談した。天皇陛下は自宅が全壊した女性を「大変怖い思いをされたんですね」などといたわり、皇后さまと一緒に被災者らの手を握る場面もあった。懇談予定のなかった入居者とも、しゃがみ込んで熱心に言葉を交わし、最後に陛下が「皆さんどうぞお体に気を付けて」と声を掛けた。

　両陛下は続いて、ヘリで福島県本宮市に移動し、安達太良川の堤防を視察。雨の中、橋の上から氾濫した川の両岸に向かって一回ずつ黙礼した後、一時避難所となった保健福祉施設で被災者らと懇談した。
　両陛下は「大変でしたね」「ご家族は大丈夫でしたか」などと一人一人に尋ね、被災当時の話に真剣な表情で耳を傾けた。その後、再びヘリで福島空港へ移動。特別機で同日夜、帰京した。
　台風１９号では丸森町で１０人、本宮市で７人が亡くなった。宮内庁によると、両陛下は台風１９号による甚大な被害に心を痛め、早期の訪問を希望。即位関連儀式が今月初めまで続いたため、年末の訪問となった。（2019/12/26-20:03）

Japanese Emperor Naruhito and Empress Masako visited Miyagi and Fukushima prefectures, northeastern Japan, on Thursday to meet with people affected by Typhoon Hagibis in mid-October.
   The trip was the Imperial couple's first visit to a disaster-hit area since the Emperor ascended the throne on May 1.
   After arriving in Sendai, the capital of Miyagi, the couple move to the town of Marumori by helicopter.
   In Marumori, they first visited the Gofukuya area, where a river flooded in the typhoon. The couple, holding umbrellas in the rain, listened closely to an explanation about the disaster from the mayor of Marumori.
   The Imperial couple then visited a nearby temporary housing complex and talked with police officers, firefighters, Self-Defense Forces personnel and others who engaged in rescue activities, as well as affected people.