食品値上げ、年１万品目突破も　６月以降、規模が拡大

　この夏の食品値上げが春を超える規模で進む見通しだ。食品メーカーは６月１日以降も続々と値上げを実施。今後２カ月間に３０００品目超の値上げが予定され、今年は累計１万品目を突破する公算が大きい。購買意欲の減退を招きかねず、消費者と直接向き合う小売業界は、対策に頭を悩ませる。
　帝国データバンクがまとめた食品主要１０５社対象の調査によると、今年の値上げ品目（予定も含む）は１９日時点で既に８３８５品目。６～７月の値上げ予定だけで３１０４品目と、３～５月（２６６０品目）を大きく上回る。春先までの小麦価格高騰や円安進行を反映させた企業が多い。
　最近では原油高などを背景に酒類・飲料価格の引き上げ発表が本格化。３０日もキリンビバレッジが「午後の紅茶」、伊藤園が「お～いお茶」のペットボトル商品を１０月１日にそれぞれ値上げすると発表した。帝国データの担当者は「『値上げの夏』どころか『値上げの秋』も来る可能性がある」と話す。
　６月１日には、日清食品が「カップヌードル」（レギュラー）の価格を税別で１９３円から２１４円に引き上げる。東洋水産の「赤いきつねうどん」など他社の即席麺も軒並み値上がりする。
　調味料では、ブルドックソースの「中濃ソース」（５００ミリリットル）が３６０円から３８０円に。ミツカンの穀物酢や味の素のうま味調味料の価格も上がる。森永製菓の「チョコモナカジャンボ」は１４０円から１５０円に価格改定する。
　日本チェーンストア協会の三枝富博会長（イトーヨーカ堂会長）は「小売業界は商品の付加価値の付け方や、お客さまが買いやすい提案方法、売り方の工夫を考えなければならない」と話した。

　◇６月１日の主な値上げ
【即席麺】
　日清食品　　　　　カップヌードル（レギュラー）　　　　１９３円→２１４円
　東洋水産　　　　　赤いきつねうどん（レギュラー）　　　１９３円→２１４円
　サンヨー食品　　　サッポロ一番　みそラーメン（袋麺）　１１１円→１２３円
【調味料】
　ミツカン　　　　　穀物酢（５００ミリリットル）　　　　１７２円→１８０円
　ブルドックソース　中濃ソース（５００ミリリットル）　　３６０円→３８０円
　味の素　　　　　　味の素（５０グラム袋）　　　　　１６５円前後→１７８円前後
【アイス】
　森永製菓　　　　　チョコモナカジャンボ　　　　　　　　１４０円→１５０円
　森永乳業　　　　　ピノ　　　　　　　　　　　　　　　　１４０円→１５０円
　明治　　　　　　　エッセル　スーパーカップ　　　　　　１４０円→１５０円
（注）価格は税別。（2022/05/31-09:34）

Food prices in Japan are expected to rise this summer at a faster pace than in spring, giving a headache to retailers.
   Credit research company Teikoku Databank Ltd. found that 105 major food producers in Japan are set to raise the prices of 3,104 items over the two months through July, far more than the 2,660 items that saw price hikes in March-May.
   Many companies hope to pass on rises in flour prices and the weakening of the yen.
   The total number of products seeing prices rise this year is expected to surpass 10,000 after reaching 8,385 as of May 19.
   Price increases for alcoholic drinks and other beverages were announced recently following crude oil prices spikes. Kirin Beverage Co. and Ito En Ltd. said Monday that they will raise the prices of their respective bottled tea brands "Gogo no Kocha" and "Oi Ocha" on Oct. 1.