「再びテロ、絶対にない」 手紙や面会、重ねた交流―重信受刑者出所で友人
1970~80年代に世界各地でテロ事件を起こした日本赤軍の元最高幹部で、懲役20年の刑で服役中の重信房子受刑者(76)が28日、満期出所する。「再びテロ活動することは絶対ない」。50年来の友人で、収監中も面会や手紙で交流を重ねたフリーライターの由井りょう子さん(74)は、こう確信している。
2人の出会いは、由井さんが明治大に入学した67年。乱雑としたサークルの部屋に、白いスーツを着こなした2学年上の重信受刑者がいた。「バイト先のバーに連れて行ってもらったり、喫茶店で好きな詩人の話をしたり」。濃密な時間を過ごしたが、自身は極左活動に関わることはなかったといい、1年半ほどで疎遠になった。
「重信、アラブに行ったってよ」と友人から聞いたのは、海外に拠点を求めた同受刑者が71年2月に出国後、しばらくしてからだった。
日本赤軍は100人が死傷したイスラエルの空港での銃乱射や、在オランダ仏大使館の占拠など相次ぎテロ事件を起こした。組織を率いる重信受刑者を「過激な闘士」などと形容する報道に触れ、「テロリストになってしまった」との思いを深めた。
2000年11月、大阪府で潜伏中の重信受刑者が逮捕されると、友人の誘いで裁判の傍聴に足を運んだ。法廷で久しぶりに見た笑顔は大学時代と変わらなかった。
裁判が続いていた08年夏ごろ、東京拘置所を訪れ、約40年ぶりに言葉を交わした。緊張して面会室に入ると、掛けられた第一声は「あなた、髪形変わったわね」。アクリル板越しの約10分間は、しわや白髪など長い歳月を感じさせる互いの外見の話に終始し、「拍子抜けでほっとした」と話す。
これを機に、約8年間にわたり面会を重ねた。重信受刑者は「今は桜がきれいでしょ」「アジサイはどうしても漢字で書きたい」などと植物の話を好んだという。
由井さんは出所後について「祭り上げられるのは怖い」と危惧する一方、活動家に戻ることはないと確信する。獄中から支援者に宛てた手紙には「一般人を巻き込んだやり方は間違っていた」などと反省の言葉が並び、「謝罪と感謝とリハビリと(がんとの)闘病でいっぱい」とも記していたためだ。
「出所の暁には乾杯しようね」と何度も手紙に書いた由井さんだが、その時が迫り、「正直、どうしよう」と戸惑いもあるという。それでも「『重信さん、出てきたってよ』って聞いたら、自然な形で迎えたい」と話した。(2022/05/28-07:21)
Old Friend Believes Ex-Japanese Red Army Leader Shigenobu No Longer Terrorist
Fusako Shigenobu, former leader of the Japanese Red Army, which committed terror attacks around the world in the 1970s and 1980s, "would never engage in terrorist activities again," an old friend of hers says.
On Saturday, Shigenobu, 76, finished her 20-year sentence and was released from prison.
Ryoko Yui, a 74-year-old freelance writer who continued to visit and exchange letters with Shigenobu during her imprisonment, firmly believes that Shigenobu is no longer a dangerous terrorist.
The two first met in 1967, in a cluttered club room at Meiji University in Tokyo. Yui was a new student and Shigenobu was a junior. Yui remembers Shigenobu wearing a white suit and looking good.
"(Shigenobu) took me to a bar where she was working. We also talked about our favorite poets at a coffee shop," Yui said.
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