「電力逼迫警報」を解除　東電管内、効率利用呼び掛け―天候回復で暖房需要減・政府

　政府は２３日、東京電力ホールディングス管内に出した「電力需給逼迫（ひっぱく）警報」を午前１１時で解除したと発表した。管内の１都８県で天候回復に伴い暖房需要が減っていることや太陽光による発電が増えたことが要因。一般家庭や企業には引き続き効率的な電気の利用を呼び掛けている。
　ただ、１６日の福島県沖地震の影響で一部の火力発電所の運転停止が続いている。今後も気温が低下すれば需給が再び逼迫する可能性は残る。
　電力の安定供給には、供給に対する需要の割合を示す「使用率」を９７％以下に抑えることが必要とされ、需給バランスが大きく崩れると大規模な停電につながる恐れがある。
　東電によると、管内の使用率は２３日午前１０時台で９４％。当初、同日のピーク時には需給が「非常に厳しい」に相当する９７％まで上昇することが見込まれたが、東電は予想を「やや厳しい」水準の９３％に引き下げた。
　経済産業省は、２２日に続き停電を回避するため不要な照明を消し、暖房温度を２０度に設定するなど節電への協力を求めていた。大手電力各社から東電への電力融通は２３日午前１１時で終了した。
　東電によると２２日午前８時から午後３時の間、節電効果は目標水準の３分の１程度にとどまった。その後は政府のさらなる呼び掛けや小売店など企業の協力もあり電力需要は抑制され、午前８時から午後１１時を通した節電効果は７割程度に達した。深夜には追加の電源として活用できる「揚水発電」の余力も回復。東電は「節電に多大なご協力を頂き、お礼を申し上げる」と謝意を示した。（2022/03/23-11:50）

The Japanese government lifted its power shortage warning in the service area of Tokyo Electric Power Company Holdings Inc. on Wednesday.
   The warning was removed in Tokyo and eight other prefectures mainly in eastern Japan at 11 a.m. (2 a.m. GMT) thanks to improved weather.
   But some thermal power plants remained halted following the earthquake off the coast of the northeastern prefecture of Fukushima on March 16. The TEPCO area may face a power crunch again if temperatures decline.
   The government is still asking households and companies in the area to use electricity efficiently.
   The TEPCO area was faced with the threat of a widespread power outage, with electricity demand feared to exceed 97 pct of supply capacity, the maximum level at which the company can ensure a stable supply.