恐怖政治で権力掌握=「女子医大のプーチン」―岩本容疑者
背任容疑で逮捕された東京女子医大元理事長、岩本絹子容疑者(78)は、医療事故で傾いた同大の経営再建を期待されたが、ヒト、モノ、カネを一手に握り、自らに権力を集中させた。トップダウンによる恐怖政治ぶりはロシアのプーチン大統領にも例えられ、優秀な医師や職員の離職を招いた。
関係者などによると、岩本容疑者は同大創業者、吉岡弥生(故人)の遠縁に当たる。1973年に同大卒業後、産婦人科を開業すると、92年に同窓会組織「至誠会」で、2008年には同大でそれぞれ理事となり、13年に至誠会会長へと上り詰めた。
同大は14年に発生した医療事故により患者数が激減し、同年度に赤字に転落した。同大の資料によると、岩本容疑者は至誠会が運営する病院を立て直した実績があるとされ、その手腕を買われ、同年末に副理事長に抜てきされたという。
関係者によると、岩本容疑者は副理事長に就任すると、大学全体の経営を担う「経営統括理事」を兼任。その後も人事や経理など主要な管理機能を掌握し、「他の部門からけん制が働かない体制」(同大の改善計画書)をつくり上げた。
同大の赤字は同容疑者が副理事長に就任後、一時的に縮小し、17年度には黒字回復を果たした。ただ、20年度は新型コロナ関連補助金を控除すると赤字に転落。その後も赤字が続き、23年度の赤字額は約72億円に上った。元理事の一人は同容疑者の経営手腕について「人件費を削減するなどの一時的な『縮小均衡』にすぎず、職員に展望を与えていない」と一蹴する。
元幹部の女性は「(同容疑者が)副理事長になって以降、恐怖政治で実権を握った。職員らはロシアのプーチン大統領のようだと話していた」と証言。現役教授の一人も「経営のおかしな点を指摘した職員は辞めさせられ、文句を言わない人しか残らない。自分だけがいい思いをしようとしていた」と話す。
[時事通信社]
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