英王室所蔵の日本作品公開へ 将軍が贈った「幻」のびょうぶ
【ロンドン時事】英王室所蔵の美術品を管理する英ロイヤル・コレクション・トラストは15日、過去350年以上にわたって収集してきた日本の美術作品を4月8日から公開すると発表した。江戸幕府14代将軍・徳川家茂がビクトリア女王に贈った後、行方不明になり「幻」とされていたびょうぶ絵が初めて展示される。日英の外交や文化・芸術交流の歴史を物語る展示となりそうだ。
「幻」のびょうぶ絵は日本の四季を描いた作品。1860年に日英間で交わされた外交上の贈呈品の一部で、今回の展示のための調査で見つかった。ビクトリア朝時代に英国で入手困難な和紙の代わりに、鉄道時刻表の切れ端を使って修復されていたことも分かった。
展示品には、徳川家康が17世紀初頭にイングランド王ジェームズ1世に贈った甲冑(かっちゅう)が含まれる。昭和天皇が1953年の戴冠式でエリザベス女王に贈った蒔絵(まきえ)手箱も公開される。
展覧会はロンドン中心部バッキンガム宮殿のクイーンズ・ギャラリーで、来年3月12日まで開催。レイチェル・ピート学芸員は「英王室が数世紀にわたって称賛し、大切にしてきた素晴らしい日本の作品を見るまたとない機会だ」と述べた。(2022/03/17-07:17)
Japanese Works from British Royal Collection to Go on Display
The Royal Collection Trust, which manages the British royal family's art collection, has said that Japanese art works it has been collecting for more than 350 years will go on public display from April 8.
The exhibition is expected to illustrate the long history of diplomatic, cultural and artistic exchanges between Britain and Japan.
The event will exhibit for the first time screen paintings given by Tokugawa Iemochi, the 14th shogun of the Edo Shogunate, to Queen Victoria, which have been rediscovered recently.
"After decades of believing these important gifts were lost, this rediscovery is extraordinarily significant," Rachel Peat, curator of the exhibition, recently said in a statement.
"The screen paintings marked a new era of diplomatic engagement between Japan and Britain," Peat said. "I'm delighted that visitors will see them on display for the first time, just as they might first have been admired by Queen Victoria."
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