2022.03.12 13:35Nation

「ウクライナ考える契機に」 高まる関心、関連本が好調―書店に特別コーナーも

 ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、両国への関心が高まり、関連する書籍の売り上げが急増している。「考えるきっかけにしたい」と足を運ぶ人が多く、書店では急きょ特別コーナーを設置。出版社には問い合わせが殺到し、増刷が追い付かないほどだ。
 児童書専門店「クレヨンハウス」(東京都港区)では侵攻が始まった2月24日以降、「何かメッセージを発信したい」との思いから、ウクライナ民話から生まれた絵本「てぶくろ」を「平和」のコーナーに移動させた。「てぶくろ」は落とした手袋に動物たちが次々と入っていく物語。日本では1965年に出版され、累計販売部数が320万部を超えるベストセラーだ。ロシアの昔話に基づく絵本「おおきなかぶ」も一緒に並べ、「どちらも平和になってほしい」との願いを込めた。
 「てぶくろ」を買いに来た都内の会社員白江恭子さん(24)は、「ロシアでもウクライナでも一人ひとりは平和を願っているはず。まずは知ることから」と話した。
 紀伊国屋書店新宿本店(新宿区)では3月から、地政学やプーチン大統領に関する本を集めたコーナーを設置した。反響は大きく、「関連書なら何でも売れている」(担当者)状況だという。
 出版社にも問い合わせが相次ぐ。岩波書店では、ノーベル文学賞を受賞したウクライナ生まれのベラルーシの女性作家、スベトラーナ・アレクシエービッチさんの「戦争は女の顔をしていない」(岩波現代文庫)の注文が通常の3倍に上った。中央公論新社は、2002年の黒川祐次・元駐ウクライナ大使の著作「物語 ウクライナの歴史」(中公新書)を増刷した。
 筑摩書房も、連日メディアでウクライナ情勢を解説する小泉悠・東京大専任講師が昨年出した著書「現代ロシアの軍事戦略」(ちくま新書)を3万部追加した。担当者によると「1店舗から100冊を超える注文があった」ほどの勢いで、今後も増刷を予定している。(2022/03/12-13:35)

2022.03.12 13:35Nation

Books on Ukraine, Russia Selling Well in Japan


Books related to Ukraine and Russia are selling well in Japan amid growing attention to Russia's invasion of Ukraine.
   Many bookstores have set up special sections for the conflict in Ukraine, while publishers receiving numerous requests to reprint books related to the two countries.
   Crayonhouse, a children's bookstore in Tokyo's Minato Ward, moved "The Mitten," a picture book based on a Ukrainian folktale, to its "Peace" section since Russia's invasion began on Feb. 24, hoping to send a message.
   The book, which is about a series of animals entering a dropped mitten, was first published in Japan in 1965, with its cumulative sales topping 3.2 million copies.
   The bookstore also displays "The Gigantic Turnip," a picture book based on a Russian folktale, alongside The Mitten, wishing for peace for both sides.

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