「目を見張る復興果たした」　達増岩手知事インタビュー―東日本大震災１１年

　岩手県の達増拓也知事は１８日、東日本大震災の発生から１１年を迎えるのを前に、報道各社のインタビューに応じた。被災地の現状について「かつての惨状と比べれば、目を見張るような復興を果たしたと言っていい」と評価。新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた被災地の経済の立て直しなどを課題に挙げた。
　―復興の状況は。
　仮設住宅での生活は終わり、中心市街地が復活し、さまざまな施設も再建され、復興道路もできた。１１年という時間はかかったが、かつての惨状と比べれば、目を見張るような復興を果たしたと言っていい。復興に携わった皆さんの努力には敬意を表し、感謝申し上げる。
　―今後の課題は。
　まず、防潮堤や水門など建設中の社会資本は早期に整備していく。心のケアや新たなコミュニティーの形成など、被災者一人一人に応じたきめ細かい支援も必要だ。
　新型コロナの影響に加え、主要魚種の不漁や燃料の高騰が被災地の経済に影を落としている。消費の落ち込みへの対策が重要で、それが復興につながり、かつ地方創生や人口減少対策にもつながる。
　―震災の被害や教訓をどう伝えるか。
　伝承や情報発信は年月がたつほど重要になるので、さらに力を入れていきたい。東日本大震災津波伝承館（同県陸前高田市）は、来館者数が既に約４７万人に達し、大きな役割を果たしている。ここを拠点として、震災の事実と教訓を発信し、三陸地域を防災学習の場として発展させていくようにする。
　―「復興五輪」の評価は。
　復興を成し遂げてきた被災地から、コロナ禍の東京五輪・パラリンピックを応援する、励ますという形でできたのではないか。復興の様子を知ってもらい、感謝の気持ちを伝えることが主目的だったので、そういうことはできたと思っている。（2022/02/19-07:04）

Iwate Governor Takuya Tasso praised progress in the northeastern Japan prefecture's recovery from the March 11, 2011, earthquake and tsunami.
   "People no longer live in temporary housing, city centers have made a comeback, many facilities have been rebuilt, and a 'reconstruction road' has been completed," Tasso said, referring to a road running along the Pacific coast in the Sanriku area of the Tohoku northeastern region, which was built as a symbol of the area's reconstruction.
   "If we look back at the stricken state the disaster-hit areas were in, I'd say that we have achieved an astonishing recovery, though it took us 11 years," Tasso said in an interview with the press.
   He expressed his gratitude and respect for people who have helped Iwate get back on its feet.
   Tasso said that his prefecture will promote construction of infrastructure such as seawalls and flood gates. He also pointed to the need for support tailored for each person affected by the disaster, including in fields such as mental health care and community building.