「敵基地攻撃」浸透に課題 具体像見えず、4割留保―時事世論調査
岸田政権が意欲を示す敵基地攻撃能力保有に対し、国民的な理解が広がっていない実態が浮き彫りとなっている。具体像が見えていない点が要因とみられ、時事通信の2月の世論調査で4割が賛否を留保。浸透に課題を残した形だ。
敵基地攻撃は、日本に対するミサイル攻撃などに際して相手領域内の拠点を直接たたくこと。政府は年末に予定する国家安全保障戦略の改定に合わせ、能力保有を表明する段取りを描く。
従来は他に手段がない場合に限り「自衛」の範囲内として憲法上認められるが、そのための装備体系は持たないとの立場。日米安保体制の下、基本的に米軍の役割とされてきた。
調査は11~14日、全国の18歳以上の男女2000人を対象に実施。敵基地攻撃能力保有について、「賛成」34.3%、「反対」26.1%、「どちらとも言えない・分からない」39.5%と割れた。
自民党支持層も賛成は45.7%と半数に達せず、33.4%が判断を留保。立憲民主党、公明党、日本維新の会の支持者もほぼ同じ割合が留保した。
ある防衛相経験者はこの結果について「まさにまだ分からないということだろう」と語り、想定される装備や攻撃着手の基準が明らかでないことが原因との見方を示した。
与党内には「先制攻撃と誤解される可能性がある」(公明党の北側一雄副代表)として「敵基地攻撃能力」という呼称の変更を求める意見がある。自民党国防族の一人は「別の呼び方で尋ねれば賛成は増える」と指摘。岸田文雄首相は18日の衆院予算委員会で、改称を検討する考えを示した。
自公を交えた検討が本格化するのは夏の参院選後になる見通し。松野博一官房長官は18日の記者会見で、「新たな安保戦略を策定する過程で、国民にしっかり説明していきたい」と述べた。(2022/02/21-07:04)
Poll Suggests Lack of Info on Enemy Base Attack Capability
A Jiji Press opinion survey has suggested that the Japanese public needs more information and explanations about the enemy base attack capability that the government aims to acquire.
According to the February survey, 34.3 pct of all respondents support Japan's acquisition of the capability and 26.1 pct oppose it, while 39.5 pct, the biggest proportion, said they do not know.
Prime Minister Fumio Kishida's administration is eager for the country to acquire the capability to strike foreign bases used to mount missile or other attacks before the attacks are launched against Japan.
The government hopes to announce its intention of possessing the capability when it revises its National Defense Strategy at year-end.
According to the government's interpretation, the launch of such an attack on a foreign enemy base is considered an act of self-defense permitted under the war-renouncing Constitution as long as there is no other means.
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