ソフトバンクG、英アーム売却断念 米国上場へ方針転換
ソフトバンクグループ(SBG)は8日、傘下の英半導体設計大手アームについて、米半導体大手エヌビディアに売却する契約を解消することで同社と合意したと発表した。競争上の懸念から欧米規制当局の承認を得られる見通しが立たず、売却を断念した。SBGは、アームの株式を2022年度中に米国で上場させる方針に切り替えた。
SBGは20年にアームを最大400億ドル(当時のレートで約4兆2000億円)でエヌビディアに売却すると発表した。しかし、英国や欧州の競争当局が調査に乗り出したほか、米連邦取引委員会(FTC)が売却阻止へ提訴に踏み切り、窮地に追い込まれた。
契約解消に伴いSBGは12億5000万ドル(1438億円)をエヌビディアから受け取る。SBGの孫正義会長兼社長は8日の記者会見で「アームはこれから黄金期に入る。半導体業界史上最大の上場を目指す」と語った。SBGは16年にアームを完全子会社化した。
同時に発表した21年4~12月期連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比87.1%減の3926億円だった。主力の「ビジョンファンド」の投資先となっている韓国インターネット通販大手クーパンや中国配車サービス大手、滴滴出行の株式評価損を計上し、投資損益が5517億円の赤字(前年同期は3兆7994億円の黒字)に転落した。
一方、孫氏の右腕とされたSBG副社長が先月退任したことに関し、孫氏は「後継者探しは重要なテーマ」としつつ「しばらくはバリバリの現役でいく」と述べた。(2022/02/08-19:42)
SoftBank's Sale of Arm to Nvidia Falls Through
SoftBank Group Corp. said Tuesday that it has agreed to cancel the sale of British semiconductor design provider Arm Ltd. to U.S. chip giant Nvidia Corp.
Instead, the major Japanese technology investor plans to take Arm public by March next year.
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