財政健全化目標、見直し示唆 消費税「触らず」―岸田首相インタビュー
岸田文雄首相は19日、首相官邸で時事通信などのインタビューに応じ、2025年度に国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化する目標について「再確認と検証を行っていく」と述べ、見直しを示唆した。経済対策の財政支出が過去最大となる中、財政規律よりも新型コロナウイルス対策と経済再生を優先させる姿勢を示したものだ。
首相は財政再建に関し「消費税に触ることは考えていない」と述べ、税率引き上げを否定した。分配戦略の柱とする賃金引き上げに関しては「中間層を分厚くする。非正規、若い世代、子育て世代に特にターゲットを絞る」と表明。看護、介護、保育・幼児教育の担い手の賃金を、来年2月から年間11万円程度引き上げると約束した。
新型コロナ対策では病床使用率8割を目指す考えを示し「予防、検査、早期治療の三つの体制ができあがるまで国民の協力をいただかなければならない」と語った。
経済安全保障のための半導体企業誘致では「米国のメーカー誘致など可能性を広げる取り組みが大事だ」と指摘した。
米国が「外交ボイコット」を検討する北京冬季五輪への代表団派遣については「国益をしっかり考えながら判断する」と表明。また、首相が重視する「核兵器のない世界」への対応では「核兵器国を動かさなければ現実は動かない。米国との信頼関係づくりを最優先に取り組む」と語る一方、公明党や野党が求める核兵器禁止条約へのオブザーバー参加に慎重な考えを示した。
憲法改正をめぐっては、「憲法への自衛隊の明記は、違憲論争に終止符を打つ上で重要だ」と指摘。具体的な改憲スケジュールは言及しなかったものの、来夏の参院選に向け「選挙公約の重点とするスタンスは変わらない」と述べた。(2021/11/19-18:39)
INTERVIEW: Kishida Hints at Fiscal Soundness Target Review
Japanese Prime Minister Fumio Kishida left open on Friday the possibility that the government will review the target of bringing the primary budget balance for the central and local governments to a surplus by fiscal 2025.
"We'll reconfirm and examine" the target, Kishida said in a group interview with media organizations including Jiji Press at the prime minister's office.
At a time when planned fiscal spending on the government's economic stimulus package is set to hit a record high, Kishida's comment indicated that he will prioritize novel coronavirus measures and economic recovery over fiscal discipline.
A primary budget surplus means that a government can finance its spending on policy measures, except for debt-servicing costs, without issuing new debt.
Kishida denied the possibility of raising the consumption tax rate for fiscal reconstruction, saying that the government is "not thinking" about changing the consumption tax.
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