2021.10.28 07:04Nation

土産菓子、脱「観光客頼み」 コロナ契機、地元・海外に活路

 新型コロナウイルス禍で苦境に立たされた全国の土産菓子メーカーが、観光客頼みだったこれまでのビジネスを見直し始めた。ういろうの老舗、青柳総本家(名古屋市)は地元客を狙った新商品を開発。北海道の定番土産「白い恋人」の石屋製菓(札幌市)が海外に活路を見いだすなど、販売ルートを広げる試みも目立つ。
 調査会社の富士経済(東京)によると、土産菓子の市場規模は2020年に前年比43.0%減の2300億円へ縮小した。コロナ禍で旅行や出張が激減し、訪日外国人の需要も消失した。
 青柳総本家も売り上げ減少に苦しんだ。目を付けたのはイタリア菓子「マリトッツォ」ブーム。試行錯誤の末、あんこ入りの定番商品「カエルまんじゅう」に生クリームなどを詰めた和洋折衷の生菓子「ケロトッツォ」を開発した。
 7月下旬、名古屋市内の2店舗で発売したところ、見た目のかわいらしさが話題を集め、連日1時間ほどで完売した。期間限定販売の予定を変更して定番化。後藤稔貴取締役は「名古屋の日常菓子として広げたい」と意気込む。
 「元祖紅いもタルト」で知られる御菓子御殿(沖縄県読谷村)は1月、地元産の紅芋と紅豚を使ったレトルトの「紅いもカレー」を発売した。紅芋ペーストが大量に余ったのがきっかけで開発した。売れ行きは好調で、担当者は「地元の方や沖縄に旅行で来たことのある方が共感してくれた」と話す。
 石屋製菓は12月、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに海外1号店をオープンする。「白い恋人」はこれまで常設店舗での販売を道内に限定してきたが、10月に国際博覧会(万博)が開幕した世界有数のリゾート都市に進出。酒が飲めない分、甘い物好きが多い現地のイスラム教徒はもちろん、欧米などからの観光客にアピールする。
 緊急事態宣言の解除で観光地はにぎわいを取り戻しつつあるが、脱「観光客頼み」の取り組みは続きそうだ。生八ッ橋「夕子」などの販路を大手通販サイトにも広げた井筒八ッ橋本舗(京都市)は「今後もコロナの影響は続く」(広報担当者)と、ポストコロナの販売手法に知恵を絞っている。(2021/10/28-07:04)

2021.10.28 07:04Nation

Regional Confectionery Makers Breaking Dependence on Tourists


Amid the novel coronavirus crisis, regional confectionery makers in Japan have started efforts to review their business models, which depend on demand from tourists, by developing new products or expanding sales channels.
   According to Tokyo-based research company Fuji Keizai Co., the domestic market of confectionery souvenirs in 2020 shrank 43 pct from the previous year to 230 billion yen, as the virus crisis led to a plunge in the number of leisure and business travelers and eliminated demand from foreign visitors.
   Aoyagi Souhonke, a long-established maker of the "uiro" sweet rice jelly, based in the central Japan city of Nagoya, suffered sales falls amid the epidemic.
   Aiming to achieve its revival, the maker set its eyes on the growing popularity of the maritozzo cream-filled Italian bun in Japan.
   After trial and error, Aoyagi Souhonke developed the "Kerotozzo" confectionery by putting cream into its mainstay "Kaeru Manju" frog-shaped cake filled with sweet bean paste.

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