2019.12.01 07:09Nation

電気系有力も「特定困難」 消防、年内にも調査書公表―首里城火災から1カ月・沖縄

焼失した首里城の正殿前に残った大龍柱(中央右)付近を調べる消防隊員ら=11月2日、沖縄県那覇市

焼失した首里城の正殿前に残った大龍柱(中央右)付近を調べる消防隊員ら=11月2日、沖縄県那覇市

 那覇市の首里城で正殿などが焼失した火災から、11月30日で約1カ月。消防当局は電気系統のトラブルが原因との見方を強めているが、現場はほぼ全てが燃え尽きており、「特定までは困難」(消防関係者)との声も出ている。市消防局は年内にも出火原因などをまとめた「火災調査書」を公表する方針だが、原因を特定しないまま発表される可能性もある。
 火災は10月31日未明に発生。警報を受け現場に駆け付けた警備員は、正殿北側のシャッターを開けた後、煙が充満しているのを発見。応援を呼んで戻った際には消火できない状態になっており、正殿など計7棟が焼損した。
 沖縄県警や消防局の実況見分では、正殿北側の分電盤から室内の照明器具につなげた延長コードに焼け溶けた跡が見つかり、コードは30カ所以上に分散していた。正殿外から分電盤に電気を引き込む配線1カ所にも溶けた跡があった。
 ただ、同局によると分電盤は内部まで焼け焦げており、焼け溶けた跡も、ショート痕か外部の火による二次的な損傷か特定できていないという。県警は資料の解析を進めているものの、炭化が激しく、幹部は「顕微鏡も使って鑑定している」と明かす。
 首里城を管理する一般財団法人「沖縄美ら島財団」は、同30日午後9時半には正殿内のブレーカーは自動的に落ちていたと説明。ただ消防局によると、消防設備の電源や延長コードなどには通電していた痕跡があったという。不審者の形跡もないことから、同局は電気系統のトラブルが有力との見方を強めている。
 消防局は焼損した7棟について、火災調査規定に基づく調査書を年内にも公表する方針だ。ただ出火原因について、消防関係者は「証言や目撃情報、火元となるようなものなどもなく、断定できない。『原因は不明』となるのではないか」と話している。(2019/12/01-07:09)

2019.12.01 07:09Nation

One Month On, Cause of Shuri Castle Fire Unidentified


The cause of the fire that devastated Shuri Castle, a UNESCO World Heritage site in the southernmost Japan prefecture of Okinawa, has yet to be identified, one month after the tragedy shocked people at home and abroad.
   Although fire authorities increasingly suspect that the blaze was triggered by an electrical system glitch, it is difficult to determine the cause of the fire as site was almost fully burned down, an official in the authorities said.
   The authorities plan to release an investigation report by the end of this year at the earliest, but it may not identify the cause of the fire, informed sources said.
   The fire occurred in the small hours of Oct. 31, damaging seven buildings at Shuri Castle, an Okinawa symbol, including the "Seiden" main hall.
   On-site inspections by the Okinawa prefectural police department and local fire authorities have found burned and melted parts on an extension cord connecting indoor lighting equipment to a switchboard at the north side of Seiden.

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