2021.10.24 07:37Nation

HPVワクチン接種、じわり増加 がん予防効果示す調査も―勧奨再開へ議論進む

 子宮頸(けい)がんなどの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)感染症を防ぐワクチン。個別に接種を促す積極的勧奨を国が中止して以降、0.3%まで落ち込んだ接種率が、上向き始めた。がん予防効果を示す海外の調査結果なども踏まえ、厚生労働省の専門部会が勧奨再開に向けた議論を進めている。
 は2013年4月、小学6年~高校1年の女子への定期接種が始まった。だが接種後の痛みや運動障害といった報告が相次ぎ、同年6月、適切な情報提供ができるまでの間、勧奨を取りやめることが決まった。
 勧奨を中止した予防接種は、個別に接種時期などを知らせて強く促したり、予診票を送ったりすることができない。保護者らへの情報は途絶え、一時は7割に達した接種率(1回目)は14年度以降、1%未満に低下した。医療現場からは、こうした状況に危機感が示され、専門部会でも「希望する人が判断するための情報が届いていない」との声が上がっていた。
 同省は18年、保護者らに向けたリーフレットを改訂。メーカー納入数は徐々に増加し、19年度の接種率は3.3%に上昇した。20年10月には対象家庭にリーフレットを送付するよう市町村へ求め、6割が応じた。同年7~9月に約4万本だった自費接種分を含むワクチン納入数は、10~12月は約8万本に、21年1~3月は約10万本に伸びた。
 海外での調査も再開に向けた議論を後押しする。20年に公表されたスウェーデンの大規模調査では、10~30歳の女性約167万人を調べた結果、17歳になる前に接種すれば同がんの発生リスクが88%低下するとされた。
 ある産婦人科医は昨年以降の納入数増加について、「新型コロナウイルスの影響で、ワクチンの重要性への理解が進んだ」と指摘する。厚労省の担当者は「小さな増加だが、この着実な流れを止めないよう情報提供を続けるしかない」と語った。(2021/10/24-07:37)

2021.10.24 07:37Nation

HPV Vaccinations Gradually Increasing in Japan


Vaccinations against the human papillomavirus, or HPV, the main cause of cervical cancer, are starting to increase gradually in Japan after stagnating for years.
   The vaccination rate once plunged to as low as 0.3 pct, after the government stopped actively recommending HPV inoculations in 2013 following reports of health problems after vaccinations.
   Now, the health ministry's expert panel is discussing the expected resumption of government recommendations of HPV vaccinations, based on foreign research results on the effectiveness of the vaccines.
   In April 2013, Japan added HPV vaccines to the list of so-called routine vaccinations administered for free, for girls between the elementary school sixth grade and high school first grade.
   But the health ministry decided in June that year to stop recommending the inoculations until proper information could be provided, after a series of reports that recipients developed body aches, movement disorders and other symptoms.

最新ニュース

写真特集

最新動画