岸田首相、敵基地攻撃「安保戦略で議論」　枝野氏、同盟基軸変わらず―与野党がテレビ討論【２１衆院選】

　与野党党首は２４日、ＮＨＫの討論番組に出演し、３１日投開票の衆院選に向け外交・安全保障政策などをめぐり論戦を交わした。岸田文雄首相（自民党総裁）は敵基地攻撃能力の保有に関し「国家安全保障戦略をはじめとする国の基本的な方針を議論する中でどう位置付けるか。いきなり次の（新年度）予算うんぬんというより、まずは議論をしっかり行うところから始めなければならない」との見解を示した。
　首相は「（周辺国の）ミサイル技術は年々進化している。国民の命や暮らしを本当に守れるのか、政治の責任としてしっかりと考えていかなければならない」と強調。敵基地攻撃能力を「選択肢の一つ」と重ねて指摘した。
　自民党は防衛費について公約で「国内総生産（ＧＤＰ）比２％以上も念頭に増額を目指す」と掲げた。これに関し、公明党の山口那津男代表は「長い間、１％前後で保たれてきた。いきなり防衛費だけ倍増するのは国民の理解を得られない」との考えを示した。
　立憲民主党の枝野幸男代表は防衛費に関し「時代遅れになった戦闘機を購入しているのではないか」と述べ、精査が必要と訴えた。
　敵基地攻撃について、国民民主党の玉木雄一郎代表は「現実的に可能なのか。事前に（発射地点を）確認できるのか」と疑問視し、社民党の福島瑞穂党首は「憲法９条に反している」と反対した。
　一方、立民、共産など野党５党の候補一本化について、首相は「政策や理念はどうなのか」とけん制。日本維新の会の松井一郎代表は「選挙互助会としか見えない」と批判した。
　枝野氏は政権交代を果たしても日米同盟を基軸とする外交は変わらないと説明。共産党の志位和夫委員長は立民と合意した「限定的な閣外からの協力」に関し「日米安保条約廃棄を党としては訴えるが、政権には持ち込まない」と語った。
　経済対策をめぐり、れいわ新選組の山本太郎代表は消費税廃止を主張。「ＮＨＫと裁判してる党弁護士法７２条違反で」の立花孝志党首は経済活動の本格再開を訴えた。（2021/10/24-12:13）

Japanese Prime Minister Fumio Kishida said Sunday that the country needs to thoroughly discuss whether to develop the capability to strike enemy missile bases.
   The issue "requires thorough discussions first rather than preparations for a budget," Kishida said in a televised debate among leaders of ruling and opposition parties ahead of the Oct. 31 general election.
   Developing the capability to strike enemy bases is "one of the options," said Kishida, president of the ruling Liberal Democratic Party.
   "Missile technologies are advancing every year. Politicians need to thoroughly consider ways to protect the people's lives and livelihood," he said.
   Natsuo Yamaguchi, leader of Komeito, the LDP's coalition partner, took a cautious stance about the LDP's call for boosting Japan's defense budget to 2 pct or more of the country's gross domestic product.