行動緩和、法改正で温度差　自公は治療薬、立・共は大規模検査―コロナ対策【２１衆院選】

　衆院選（３１日投開票）は公示から一夜明けた２０日、与野党の論戦が本格化した。各党とも力を入れるのが新型コロナウイルス対策。自民、公明両党はワクチン接種や治療薬開発の推進で経済活動との両立を目指す。一方、立憲民主党は大規模検査や水際対策の強化による新型コロナの封じ込めに力点を置く。人出の抑制などに関する法改正についても各党で温度差がある。
　「経口治療薬の実用化が大きなポイントになる。一段と平時に近い社会経済活動に近づくことになる」。岸田文雄首相（自民党総裁）が２０日、兵庫県尼崎市での遊説で力を込めたのは新型コロナ治療薬の開発だ。
　自民の衆院選公約では、ワクチン接種の「１１月早期完了」と３回目の接種準備に加え、「重症者数・死亡者数の極小化」に向けた経口薬普及を重視。連立を組む公明も国産経口薬の開発支援を打ち出す。
　治療法普及の先に見据えるのは本格的な社会・経済活動の再開。その一歩となる行動制限の緩和について、自民は接種証明などを用いたイベント、旅行、飲食での実施を明示。公明も「新・Ｇｏ　Ｔｏキャンペーン」を掲げる。
　これに対し、立民の枝野幸男代表は２０日、仙台市の街頭演説で「症状のない感染者を見つけるのはＰＣＲ検査しかできないが、政府は腰が引けている。本当にリバウンド（感染再拡大）を止められるのか」と批判。衆院選公約には、従来の「ゼロコロナ」は明記しないものの、「誰でもすぐ受けられるＰＣＲ検査」に加え、現行の水際対策より厳格な「全入国者に対するホテルなどでの１０日以上の隔離」を盛り込んだ。共産党も「いつでも誰でも無料」の検査確立を訴える。
　新型コロナ感染の「第５波」では専門家らが行動制限につながる法整備の必要性を主張した。自民は公約で、人出の抑制や病床確保のため「国民的議論を踏まえ、行政がより強い権限を持てる法改正」を目指す。
　経済活動と感染対策の両立を唱える日本維新の会も、病床や医療従事者確保を可能とする法整備を主張。「行き過ぎた行動制限の弊害」を訴える国民民主党も移動制限の在り方と法制化を検討するとしており、共に自民公約と共通性がある。
　一方、立民、共産は公立・公的病院の再編統合を伴う「地域医療構想」の見直し、医療従事者の待遇改善を盛り込んだ。
　れいわ新選組は「徹底補償付きステイホーム」による感染封じ込め、社民党は臨時病院の緊急開設を掲げている。　
　◇新型コロナ対策の各党公約要旨
【自民党】希望者全員のワクチン接種を１１月早期に完了し３回目接種の準備を進め、経口薬普及を促進。接種記録や検査結果を活用し行動制限を緩和。人流抑制や医療提供体制確保へ行政が強い権限を持てる法改正を実施。
【立憲民主党】感染者数がリバウンドしないレベルに下がるまで感染拡大を防ぐ。誰でもすぐに受けられるＰＣＲ検査体制を確立、全入国者を１０日間以上ホテルなどで隔離。「地域医療構想」の抜本的見直し。
【公明党】国産ワクチン・治療薬の迅速な開発・実用化へ法整備を行う。国産経口薬の開発を強力に支援。「新・Ｇｏ　Ｔｏキャンペーン」（仮称）で観光産業を経済復興の原動力として再開。
【共産党】「いつでも、誰でも、無料で」のＰＣＲ検査を実施。医療機関の減収補填（ほてん）、財政支援、医療従事者の待遇改善を実施。公立・公的病院の削減・統廃合を中止。
【日本維新の会】実行力を持ってコロナ病床・医療従事者を確保できる法律を制定。ワクチンパスポートの活用により経済活動を両立。
【国民民主党】自宅無料検査で家庭内感染を抑制。入国時１４日間待機の厳格化。移動制限の在り方と法制化を検討。
【れいわ新選組】最大３カ月の徹底補償付きステイホームの期間内に保健所体制、医療体制を強化。
【社民党】医療体制の強化に全力を尽くし、臨時病院を緊急開設する。
【ＮＨＫと裁判してる党弁護士法７２条違反で】新型コロナで傷ついた経済を回す。（2021/10/20-19:31）

Political parties in Japan are on the same page in light of the need for ending the novel coronavirus as soon as possible, but their policy pledges for the Oct. 31 general election vary over specifics, including possible legal revisions for reducing flows of people.
   The ruling Liberal Democratic Party and its Komeito ally aim to speed up vaccinations and the development of drugs for COVID-19 in order to bring the pandemic under control and promote the reopening of economic activities at the same time.
   Meanwhile, the leading opposition Constitutional Democratic Party of Japan puts more of its focus on increasing the number of polymerase chain reaction tests and boosting border control measures.
   "A major key is putting oral drugs into practical use," Prime Minister Fumio Kishida said during a stump speech in Amagasaki, Hyogo Prefecture, western Japan, Wednesday, a day after the start of the official campaign period for the election for the House of Representatives, the all-important lower chamber of the Diet, Japan's parliament. "Such drugs will help bring social and economic activities back closer to normal," Kishida, also LDP president, said.
   The LDP's election platform calls for completing coronavirus vaccinations in early November and accelerating preparations for third vaccine shots, as well as promoting the development and use of orally taken drugs in a bid to reduce severely ill coronavirus patients and COVID-19 fatalities to a minimum.