与野党党首、経済政策で討論　衆院選、１９日公示【２１衆院選】

　第４９回衆院選は１９日、公示される。与野党党首は１７日夜、インターネット動画サイトの討論会に出演し、新型コロナウイルス禍で苦しむ家計・事業者支援や中長期的な経済政策をめぐって議論を交わした。岸田文雄首相（自民党総裁）は「新しい資本主義」による分厚い中間層の再構築を主張。立憲民主党の枝野幸男代表は金融所得課税強化などを主張し、違いをアピールした。
　衆院選は２０１７年１０月以来４年ぶり。１４日の衆院解散から３１日の投開票までわずか１７日間という戦後最短の短期決戦となる。
　首相は討論会で「成長と分配の好循環を実現することで豊かな社会経済（構築）を進めていく」と表明。当面の支援策として困窮世帯などへの現金給付を挙げ、「補正予算を活用しながら、できるだけ早い支給を考えていく」と語った。
　これに対し、枝野氏は「アベノミクスで恩恵を受けた方に負担をお願いする」と金融所得課税や法人課税の強化を主張。「その金を低所得者に向け、日本経済を元気にする」と説明した。
　公明党の山口那津男代表は「消費を盛り上げて経済を回復させる」と述べ、１８歳以下の全ての子どもへの１０万円給付をアピール。共産党の志位和夫委員長は「新自由主義の転換が必要だ」と語り、消費税率５％への引き下げなどを主張した。
　日本維新の会の松井一郎代表は「身を切る改革」を通じて分配財源を生み出せると強調。国民民主党の玉木雄一郎代表は１５０兆円規模の経済対策で「賃金が上がる経済」を実現すると力説した。
　れいわ新選組の山本太郎代表、社民党の福島瑞穂党首、「ＮＨＫと裁判してる党弁護士法７２条違反で」の立花孝志党首も積極財政を訴えた。
　討論では金融所得課税などをめぐる首相の姿勢の「ぶれ」を野党党首がただす場面が目立った。玉木氏は首相が自民党総裁選で掲げた「令和版所得倍増」に所信表明演説で言及しなかったことについて「所得倍増は放棄したのか」と批判。首相は「所得倍増は当然追求する。成長と分配の好循環を完成すれば、実現できると確信している」と反論した。（2021/10/17-22:01）

Leaders of Japan's ruling and opposition parties clashed over how to revitalize the country's economy, which has been hurt by the COVID-19 crisis, in an online debate held Sunday in the run-up to the general election Oct. 31.
   They focused on support measures for households and businesses hit by the novel coronavirus pandemic, and medium- to long-term economic policies.
   Prime Minister Fumio Kishida, also president of the ruling Liberal Democratic Party, vowed to rebuild the country's middle class through measures under a new form of capitalism, his signature economic policy.
   Yukio Edano, leader of the main opposition Constitutional Democratic Party of Japan, said that the party aims to raise tax on financial income, differentiating the CDP from the LDP.
   During the LDP's leadership race last month, Kishida showed his eagerness to increase financial income tax, but he recently suggested that he would shelve the step for the time being.