がん検診、コロナ前に戻らず 今年上半期、19年比17%減―受診控え継続か
今年上半期(1~6月)に胃や大腸などのがん検診を受けた人は、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年同期比で約17.4%減となったことが25日、日本対がん協会(東京都中央区)の調査で分かった。20年同期比では2倍超だが、感染拡大に伴う受診控えが続いているとみられ、以前の水準には戻っていない実態が明らかになった。
協会は7~8月、市町村のがん検診を受託する全国42支部に受診者数などを質問。32支部から回答を得た。
今年上半期に胃、肺、大腸、乳、子宮頸(けい)のがん検診を受けた人は延べ156万6022人。最初の緊急事態宣言が発令された期間を含む20年上半期(70万4385人)の約2.2倍に増えたが、感染拡大前の19年上半期(189万5708人)と比べ約17.4%減となった。
各検診の減少幅を今年と19年で比べると、胃がんが最も大きい約21%で、肺がんの約20%、乳がんの約17%が続いた。同協会は、検診数の伸び悩みについて、市民の受診控えが続いていると分析。また、3密回避のため人数制限を設けた会場があるほか、自治体がワクチン接種の準備などに追われ、がん検診にまで手が回っていない可能性も挙げた。
同協会の小西宏プロジェクトディレクターは「過去のデータに照らし合わせると、受診者が1~2割減れば、がんが見つからない人が全国で1万~2万人増えると推測される」と指摘。「進行が早いがんもあるが、早期に発見できれば治る可能性も高いので、感染対策をした上で検診を積極的に受けてほしい」と呼び掛けている。(2021/09/26-07:09)
Cancer Screening in Japan Still below Pre-Pandemic Level
The number of people who underwent cancer screening tests in Japan in January-June was some 17 pct lower than in the first half of 2019, before the novel coronavirus pandemic, the Japan Cancer Society said Saturday.
Although the figure for the first six months of this year more than doubled from the same period last year, it is believed that many people still refrained from cancer screening amid the spread of the coronavirus.
The society conducted the survey in July-August, receiving answers from 32 of its 42 branches that conduct cancer screening tests on behalf of municipalities.
In the first half of this year, a total of 1,566,022 people received screening for stomach, lung, bowel, breast and cervical cancers.
The figure rose about 2.2-fold from the first half of 2020, which included the period of the first coronavirus state of emergency, but dived 17.4 pct from the first half of 2019.
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