日本人の「9.11哀歌」 テロ20年、跡地で絵画展示―NY
【ニューヨーク時事】2001年9月11日の米同時テロで崩壊したニューヨークの世界貿易センタービル跡地にある「9.11追悼記念博物館」に、犠牲者を静かに追悼する絵画がある。「森の星たち 9.11の哀歌」。半世紀を超えてニューヨークに住み、同時テロを実体験した日本人画家、中川直人さん(77)の思いが凝縮した作品だ。
同時テロの現場から徒歩10分ほどのスタジオで、テロ直前の01年9月初めから3カ月半をかけて仕上げた。当初は地元の「美しい星の形をしたコケたちが生み出す自然のマジックの一面」を描く予定だった。しかし、同時テロの惨劇を目の当たりにし、犠牲者にささげる作品を描きたいとの思いが募っていったという。
その後、一つ一つのコケに輝くような効果を持たせ、命の輝きを表現した。米国にはクリスチャンが多いことから、じっくり鑑賞すると十字架が浮かび上がる仕掛けを配し、赤、白、青の配色で星条旗も意識。「僕の祈りが入っている」と中川さんは語る。
14年の博物館開館前から寄贈を働き掛けていたもののかなわず、同時テロ体験者が最終的な寄贈を条件に購入。19年に寄贈され、今年5月から展示されている。
同時テロから来月11日で20年となる。中川さんは「このような悲劇を二度と起こしてはならず、世界で争いが続く中、その原因を誰もが自分自身に問い直さなければならない」と訴えている。(2021/08/29-07:14)
Japanese Painter's Work Offers Prayer for Sept. 11 Victims
At the National September 11 Memorial & Museum in New York, a painting by Japanese artist Naoto Nakagawa offers a silent tribute to those who died in the Sept. 11, 2001, terrorist attacks.
The painting, titled Stars of the Forest: Elegy for 9/11, encapsulates the thoughts of the 77-year-old painter, who personally experienced the attacks during his over 50 years of living in New York.
The artwork was created in three and a half months from early September 2001, or just before the attacks, at a studio only 10 minutes' walk away from the World Trade Center, the site of the attacks.
Nakagawa originally planned to paint the magical view of star-shaped moss he had seen in New York. But seeing firsthand the horrors of the terror attacks prompted him to make the artwork a tribute to the lives lost.
He drew each moss to seem as if it was shining, representing the shine of life. He arranged the moss to form a cross, and used red, white and blue, the colors of the U.S. national flag.
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