勝利の花、準備着々 コロナ打撃、福島・浪江町の農家―東京五輪1カ月前
東京五輪まで1カ月。メダリストの表彰で贈られる花束「ビクトリーブーケ」は、東日本大震災の被災地で生産された花々が使われる。福島県浪江町で震災後に花卉(かき)栽培を始めた農家は「いつでも注文を受けられるように準備している。選手が掲げるのを見るのが楽しみ」と話す。
ブーケに使われる福島県産花の一つ、トルコギキョウを栽培するのは、東京電力福島第1原発事故で避難指示が出ていた浪江町のNPO法人「Jin」だ。もともと福祉事業を手掛けていたが、2013年に町内への日中の立ち入りが可能になり、農業を始めた。
風評被害の影響を比較的受けにくいことなどから、県や町に勧められ、14年から花の栽培を開始。順調に売り上げ、20年の五輪に向けて準備を進めていたさなか、新型コロナウイルス禍が直撃した。
五輪は延期、イベントも軒並み中止された影響で、昨年の出荷額は大幅に減少。それでも同法人代表の清水裕香里さん(55)は「ピンチの裏にはチャンスがあると思って行動してきた」。出荷方法をイベント用から個人の観賞用に切り替えるなど工夫し、この1年を乗り切った。
花の色や大きさ、枝の長さなどがブーケの規格に合うよう育て、大会期間に花開くよう、時期をずらして苗を植える。清水さんは「ブーケに関心を持ち、浪江町で花卉(かき)農家になる人が増え、町全体の復興につながれば」と話す。(2021/06/24-07:32)
Flower Farmers in Fukushima Getting Ready for Tokyo Games
With one month to go until the Tokyo Olympics, flower farmers in the town of Namie, Fukushima Prefecture, are getting ready to prepare so-called "victory bouquets" for athletes at the major sporting event.
The victory bouquets, which will be given to medalists as a commemorative gift, will be made of flowers grown in the areas affected in the March 2011 earthquake and tsunami.
"We are preparing (our flowers) so that we can accept orders at a moment's notice," a farmer who started growing flowers in the northeastern Japan town of Namie after the 2011 disaster said.
"I'm looking forward to seeing athletes raise (their bouquets above their heads at the Tokyo Games)," the farmer added.
A nonprofit organization in Namie is growing lisianthus, one of the Fukushima-grown flowers that will be included in the bouquets.
最新ニュース
写真特集
-
【高校通算140本塁打の強打者】佐々木麟太郎
-
【駅伝】第101回箱根駅伝〔2025〕
-
【野球】慶応大の4番打者・清原正吾
-
【競馬】女性騎手・藤田菜七子
-
日本人メダリスト〔パリパラリンピック〕
-
【近代五種】佐藤大宗〔パリ五輪〕
-
【アーティスティックスイミング】日本代表〔パリ五輪〕
-
【ゴルフ】山下美夢有〔パリ五輪〕