「皇位継承」７月にも国会報告　論点整理で方向性出さず―政府

　政府は７日、安定的な皇位継承の在り方に関する国会報告を７月にも行う方向で調整に入った。政府関係者が明らかにした。次期衆院選での争点化などを避けるため、報告内容は専門家からのヒアリングも踏まえた論点整理にとどめ、女性・女系天皇や女性宮家創設の是非などに関し方向性は打ち出さない。
　報告書については、菅義偉首相が大島理森、山東昭子衆参両院議長に手渡すことを検討している。今国会に合わせた場合、皇位継承の在り方が与野党の論争の材料になる可能性があり、閉幕後の静かな環境の中で行う。
　皇位継承の在り方を検討する政府の有識者会議（座長・清家篤日本私立学校振興・共済事業団理事長）は７日、専門家への最後のヒアリングを実施。気象予報士の半井小絵さんや小説家の綿矢りささんら４人が出席した。女系天皇に関し、半井さんは「女系への拡大は日本を混乱させる原因となり、許容できない」と主張。綿矢さんも慎重な姿勢を示した。
　同会議はこれまで４回にわたって専門家から意見を聴取。女性・女系天皇のほか、天皇や皇族の役割・活動、元女性皇族による皇室活動の支援、養子縁組による旧皇族の皇籍復帰など１０項目がテーマとなった。
　過去のヒアリングでは、皇位継承資格者を男系男子に限る現行制度の維持を求める意見が出る一方、男系なら女性天皇を認めるべきだとする声も上がった。また、皇位継承順位を長子優先とした上で、女性・女系天皇を容認する意見もあった。
　２０１７年に成立した天皇退位特例法は、政府に安定的な皇位継承策を速やかに検討し、報告するよう求めていた。安倍晋三政権時は本格的な検討が行われず、菅政権発足後の今年３月、政府は有識者会議を設置して議論を開始した。（2021/06/07-20:33）

The Japanese government plans to submit a report to the Diet, Japan's parliament, as early as July on ways to ensure stable Imperial succession, government sources said Monday.
   In the report, the government will list major issues surrounding the Imperial succession based on hearings with experts, without showing its opinions on them.
   The report will not say whether Japan should accept female emperors or emperors in the maternal bloodline of the Imperial Family, or whether female Imperial Family members should be allowed to establish family branches after marriage, according to the sources.
   The government hopes to avoid such divisive issues from becoming a point of controversy ahead of the next general election for the House of Representatives, the all-important lower chamber of the Diet, to be held by autumn.
   The government is considering having Prime Minister Yoshihide Suga submit the report to Tadamori Oshima, speaker of the Lower House, and Akiko Santo, president of the House of Councillors, the upper chamber.