2021.06.07 18:16Nation

トヨタ、パワハラ自殺で和解 再発防止へ人事制度見直し―社長が遺族に謝罪

 トヨタ自動車の男性社員=当時(28)=が2017年に自殺し、上司のパワーハラスメントが原因だとして労災認定されたことをめぐり、トヨタと遺族が和解したことが7日、分かった。豊田章男社長が直接謝罪。トヨタは人事制度を見直すなど、再発防止策を定めたことを明らかにした。
 トヨタによると、同社が安全配慮義務違反を認め、損害賠償として解決金を支払って訴訟外の和解が4月7日付で成立した。金額は非公表。豊田社長は19年11月と今年4月、遺族を訪問して謝罪したという。
 トヨタは遺族とも協議の上、再発防止策として人事評価の基準を変更。能力だけでなく、職場で周囲に好影響を与えているかどうかなども考慮する。幹部社員約1万人を対象に、それぞれの上司・部下など十数人が評価するシステムも導入した。
 また、社員が匿名で相談できる窓口を設け、社員の家族らからも相談を受けられるほか、入社3年目までの若手社員には毎月アンケート調査を実施する。就業規則も改め、パワハラの禁止や懲罰規定を盛り込んだ。
 豊田社長は「仕組みは作ったが完成ではない。今後二度と起こさせない、起こる前に止める」と強調しているという。
 パワハラ被害を受けた男性は東京大大学院を修了し、15年4月に入社。配属された部署で、直属の上司から「死んだ方がいい」などの暴言や叱責を日常的に受けた。休職を経て16年10月に復職したが、その後に再び元の上司と近い席となった。男性は「死んで楽になりたい」などと周囲に漏らし、17年10月末、寮の自室で自殺。豊田労働基準監督署は19年9月、パワハラと自殺の因果関係を認め、労災認定していた。
 トヨタ幹部は7日、「私どもの仲間が自ら命を絶つことはあってはならない」とコメント。元上司に対しては処分をしたが、内容は非公表としている。遺族は代理人弁護士を通じ、「本当にトヨタが生まれ変わったと言えるのかは、今後の取り組みや労災事案への対応にかかっている」とコメントした。(2021/06/07-18:16)

2021.06.07 18:16Nation

Toyota Reaches Settlement over Workplace Harassment Case


Toyota Motor Corp. has reached a settlement with the family of a male employee who committed suicide in 2017 after suffering from workplace harassment, it was learned Monday.
   The settlement came after the man's suicide was recognized as having been caused by workplace harassment from a senior.
   Under the out-of-court settlement dated April 7, Toyota admitted to its violation of the duty to care for the safety of its employees and paid damages, according to the major automaker.
   The amount of the damages has not been disclosed.
   Toyota President Akio Toyoda visited the family in November 2019 and April this year to offer an apology.

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