２８００人避難続く　大規模浸水、死者１３都県９０人―台風１９号１カ月

　記録的な大雨による河川の氾濫で堤防１４０カ所が決壊するなどし、広範囲に浸水被害をもたらした台風１９号は、１２日で上陸から１カ月。犠牲者は１３都県で９０人に上った。１０都県でなお約２８００人が避難所生活を余儀なくされ、長野市の一部などで約３０００人に避難指示が続く。冬の到来が近づく中、生活再建に不可欠な仮設住宅の早期提供など、行政による住宅関連支援は急務だ。
　犠牲者は６５歳以上が６割近くを占め、１０歳以下も３人いた。死亡場所が判明している６２人のうち、３３人は住宅内で被災し、２９人は屋外だった。このほか５人の安否が確認されていない。
　内閣府によると８日現在、避難所に身を寄せる人は福島県で１１６２人に上り、次いで長野県（８２５人）、宮城県（４４９人）の順に多い。各自治体は避難者の要望を取りまとめ、公営住宅や仮設住宅の提供などを急いでいる。
　ただ、浸水した家屋の片付けが続く中、自宅を修理して住み続けるか、本格的に別の住宅を探すかの判断に時間がかかる被災者も多いとみられる。
　住宅被害は３１都県の約８万８０００棟に上り、このうちの約８割で床上、床下浸水が確認された。生活再建支援金や、民間住宅を借り上げる「みなし仮設」の入居などに必要な罹災（りさい）証明書の申し込みに対する交付の割合は、長野県の自治体で６５％超に上る一方、福島県では１３．７％にとどまるなどばらつきもある。
　鉄道は、三陸鉄道や阿武隈急行など６事業者の１０路線で一部運転見合わせが続いている。
　一方、７１河川の１４０カ所で決壊した堤防は、すべて仮復旧が完了し、新幹線も全線で運転を再開した。断水は宮城県丸森町の２戸まで減少し、一時、５１万戸超に影響が出た停電も全戸で復旧した。（2019/11/11-20:32）

About 2,800 people are still living in evacuation centers in 10 of Japan's 47 prefectures one month after Super Typhoon Hagibis slammed the archipelago.
   It is an urgent task for administrative authorities to provide the evacuees with temporary housing before the full start of winter, experts noted.
   The 19th typhoon of the year, which made a landfall in Shizuoka Prefecture on Oct. 12, was so devastating that 90 people were killed in 13 prefectures including Tokyo and levees ruptured at 140 points of 71 rivers mostly in central, eastern and northeastern regions.
   Of the total victims, those aged 65 or older accounted for nearly 60 pct. Three children aged 10 or younger were also killed in the disaster.
   Among the 62 victims whose places of death were confirmed, 33 were killed inside their own homes and the rest were outdoors. As of Monday, five people remained unaccounted for.