殺人容疑で元妻逮捕　「紀州のドン・ファン」死亡―体内から覚せい剤・和歌山県警

　和歌山県田辺市で２０１８年、会社経営野崎幸助さん＝当時（７７）＝が死亡した事件で、県警は２８日、殺人と覚せい剤取締法違反の疑いで元妻の会社役員須藤早貴容疑者（２５）＝東京都品川区＝を逮捕した。県警は同容疑者の認否を明らかにしていない。
　野崎さんは地元で酒類販売会社などを経営し、資産家として知られていた。自身の女性遍歴をつづった著書のタイトルから「紀州のドン・ファン」とも呼ばれた。県警は今後、覚せい剤入手の経緯などについて調べを進める。
　逮捕容疑は１８年５月２４日、同市の自宅で野崎さんに覚せい剤を経口で摂取させ、急性覚せい剤中毒により殺害した疑い。
　県警などによると、野崎さんは同日午後１０時半ごろ、２階寝室のソファで倒れているのが見つかり、須藤容疑者が１１９番したが、その場で死亡が確認された。解剖の結果、体内から致死量を超える覚せい剤が検出され、死因は急性覚せい剤中毒、死亡推定時刻は同９時ごろと判明した。
　当日の夕食は家政婦が用意した鍋料理で、死亡の数時間前に食べたとみられる。夕食時は、野崎さんと須藤容疑者の２人だけだったという。
　県警は、野崎さんが飼い犬の葬儀を予約するなど自殺をうかがわせる事情がないことから、何者かに覚せい剤を摂取させられた可能性があるとみて捜査。摂取させられたとみられる時間帯、周囲には須藤容疑者しかおらず、第三者の存在も確認されていないことなどから、同容疑者が関与した疑いが強いと判断した。（2021/04/28-13:40）

Police arrested a 25-year-old woman on Wednesday on suspicion of killing her wealthy husband, then 77, in Wakayama Prefecture, western Japan, in 2018.
   Saki Sudo, a corporate executive, was arrested in Tokyo by the Wakayama prefectural police department on suspicion of murder and a violation of the stimulant drug control law. She allegedly killed Kosuke Nozaki by having him take a stimulant drug orally and causing acute intoxication in Tanabe, Wakayama, according to investigative sources.
   Nozaki build a fortune by operating a wide range of businesses including real estate, finance and alcoholic beverage sales.
   He married Sudo, who was 55 years younger than him, in February 2018, but his death ended their marriage only about three months later.
   Nozaki was known as "Kishu no Don Juan," or the Don Juan of Kishu, an old name of a region including Wakayama, for the titles of the books he published. In the books, he described his past relationships with women.