浪江町長、「適切に賠償を」 東電社長に念押し―原発処理水放出・福島
東京電力ホールディングス(HD)の小早川智明社長は19日午後、福島県浪江町の役場を訪れ、吉田数博町長と面会した。小早川社長は、東電福島第1原発から出る放射性物質トリチウムを含む処理水の海洋放出について説明。吉田町長は「風評が発生した場合には適切な賠償を求める」と強く念押しした。
政府は13日に、2年後をめどに処理水を薄めて海洋放出する方針を決定。東電が放出の実施や海域のモニタリングのほか、風評被害が生じた場合の賠償などを担う。ただ、東電では原発の安全対策をめぐる不祥事が相次ぎ、地元の不信感が募っている。
吉田町長は、町民約1万5千人による裁判外紛争解決手続き(ADR)で東電に和解案を6度拒否された過去に触れ、「被害者の負担にならないよう、姿勢を改めてほしい」と強調した。
小早川社長は会談後の記者会見で「まずは風評を起こさないよう汗をかき、それでも(被害が)出れば、これまでの丁寧な対応ができていない部分を改善する」と述べ、賠償に関する地元の懸念の払拭(ふっしょく)に努める考えを示した。
一方で小早川社長が前日、東電が福島県漁業協同組合連合会と交わした「関係者の理解なしに処理水のいかなる処分も行わない」との約束を順守すると明言したことについては、「理解が得られるよう漁業関係者に誠実に説明する」と述べるにとどめた。また、漁業者らと直接面会するのかについて問われると、「(先方の)ご意向を踏まえてからになる」と明言を避けた。
小早川社長は19日、浪江町に先立ち、原発が立地する福島県大熊町などを訪問し、各町長と会談。大熊町の吉田淳町長は、海洋放出に一定の理解を示した上で、処理水の安全性について分かりやすく透明性のある情報発信を東電に求めた。(2021/04/19-20:21)
TEPCO Chief Explains Water Release Plan to Fukushima Town Mayor
Tokyo Electric Power Company Holdings Inc. President Tomoaki Kobayakawa on Monday explained to the mayor of the Fukushima Prefecture town of Okuma the planned release of treated radioactive water from the firm's crippled nuclear plant in the northeastern Japan prefecture into the sea.
Kobayakawa met with the mayor, Jun Yoshida, at the Okuma town government office. Okuma hosts TEPCO's Fukushima No. 1 nuclear power station, damaged in the March 2011 earthquake and tsunami.
TEPCO will release the water, which contains tritium, a radioactive substance, conduct ocean monitoring and pay compensation for possible damage caused by harmful rumors related to the ocean release of the water.
"I'll take the lead (on the water release project) with a determination to accomplish the reconstruction of Fukushima and the decommissioning of the nuclear plant," Kobayakawa told Yoshida.
In talks with reporters after the meeting, Yoshida signaled his understanding, saying, "I don't think TEPCO should proactively release the radioactive water into the sea, but the decision was made while there are limits to the space for tanks for storing the treated water at the site of the nuclear plant."
最新ニュース
-
イスラエルとハマス、ガザ停戦で合意=戦闘6週間停止、人質解放―19日発効、1年3カ月の交戦に区切り
-
NY株、大幅続伸
-
NY円、156円台前半
-
ガザ停戦、合意間近か=交渉で「突破口」と報道
-
米消費者物価、2.9%上昇=3カ月連続で伸び拡大―24年12月
写真特集
-
【高校通算140本塁打の強打者】佐々木麟太郎
-
【駅伝】第101回箱根駅伝〔2025〕
-
【野球】慶応大の4番打者・清原正吾
-
【競馬】女性騎手・藤田菜七子
-
日本人メダリスト〔パリパラリンピック〕
-
【近代五種】佐藤大宗〔パリ五輪〕
-
【アーティスティックスイミング】日本代表〔パリ五輪〕
-
【ゴルフ】山下美夢有〔パリ五輪〕