2019.11.01 08:41World eye
「ハカ」対抗に歴史あり、過去の名場面7選
【東京AFP=時事】26日のラグビーW杯日本大会準決勝では、ニュージーランド伝統の「ハカ」にイングランドがハーフウエーラインを越えて対抗し、罰金を科されたが、過去にはハカを無視したり、自分たちで踊ってみたりと、各チームが独創的な方法を編み出してマオリ古来の戦いの舞に立ち向かってきた。(写真はラグビーW杯ニュージーランド大会決勝、フランス対ニュージーランドで、試合前にハカを披露するニュージーランドの選手(奥)を見つめるフランスの選手)
ここでは、その中でも特に印象深い七つを紹介する。
■ハカにはハカを――2008年、マンスター
2008年、英国遠征を行ったニュージーランドを迎え撃ったアイルランドのクラブチーム、マンスターは、ハカへのユニークな対抗策を取った。自分たちもハカを踊ったのだ。
マンスターにいた4人のニュージーランド出身選手が歩み出て、オールブラックス(ニュージーランド代表の愛称)の選手より先にハカを始めると、観客は大喝采。これが功を奏したのか、チームは1978年の金星を再現する寸前までいったが、ウイングのジョー・ロコココに決勝のトライを許し、16─18で敗れた。
■微動だにせず――2008年、ウェールズ
同じく2008年の遠征では、ウェールズ代表も斬新な対策を披露した。彼らがやったのは、ハカが終わった後も動くのを完全に拒否することだった。
その結果、両軍のにらみ合いは数分にわたって続いた。主審は両チームの主将に試合を始めようと促したが、どちらもまばたきすらしない。そうした緊迫ムードの中で始まった試合だが、開始前の茶番はウェールズの助けにはならなかったようで、チームは9─29で大敗した。
■完全無視――1996年、オーストラリア
1996年のニュージーランドとオーストラリアの対抗戦、ブレディスロー・カップでは、オーストラリアが相手の挑戦状に向き合おうとせず、ハカを完全に無視してウオーミングアップを続けるという手に打って出た。オーストラリアは1991年にも、デビッド・キャンピージが列を離れ、ハカを無視してキック練習を始めていたが、これを思い起こさせるものだった。
すると、自分たちのホームで無礼なことをされたと感じたオールブラックスは、かつてないほどに大激怒。これが発奮材料になったのか、43─6でオーストラリアを粉砕した。豪主将のジョン・イールズは後に、あのときの行動が一番悔いが残ると振り返っている。
■くさび形で前進――1989年、アイルランド
ハカに初めて真正面から対抗した例として知られるのが、1989年のアイルランドで、このときの彼らは逆V字のくさび形の陣形を取ってオールブラックスへにじり寄り、両チームの主将が目と鼻の先で向き合うところまで近づいた。
ハカが終わると両者は言葉を交わしたようで、それを受けてアイルランド主将のウィリー・アンダーソンは、跳び上がるようにして満員のホームの観客をあおった。しかしこうした努力もむなしく、試合はニュージーランドの23─6の快勝に終わった。
■W杯でもくさび形――2011年、フランス
ニュージーランドで行われた2011年のW杯決勝では、今度はフランス代表が、多少足並みは乱れ気味だったが、同じようにオールブラックスに向かって前進し、試合をさらに盛り上げた。
フランスはこれで2500ポンド(約35万円)の罰金を科され、さらにこの出来事をきっかけに、ハカの間は両チームの距離を空けるという決まりもできた。フランスもまた7─8で惜敗し、試合に勝つことはできなかった。
■殴り合い上等――1997年、イングランド
ハカへの対抗策が、実際の殴り合いに発展しそうになったのが1997年で、このときはイングランドの血の気の多いフッカー、リチャード・コッカリルがニュージーランドのノーム・ヒューイットの目の前に行き、ヒューイットがハカを踊っている間ずっと何事かをつぶやいた。
二人は額をぶつけ合うようにして向き合っていたが、イングランドの主将が両者を引き離し、ヒューイットを押し戻して何とか無事に試合が始まった。
■食い気味に自分たちも――2003年、トンガ
2003年のW杯オーストラリア大会では、トンガがニュージーランドのハカとほぼ同時に自分たちの戦いの踊り「シピタウ」を披露し、相手のお株を奪うパフォーマンスで観客を喜ばせた。
本来はハカが終わるまで待ってからお返しをする予定だったそうだが、相手が「カ・マテ」と口にした瞬間、トンガの選手も同時にシピタウを始めていた。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2019/11/01-08:41)
ここでは、その中でも特に印象深い七つを紹介する。
■ハカにはハカを――2008年、マンスター
2008年、英国遠征を行ったニュージーランドを迎え撃ったアイルランドのクラブチーム、マンスターは、ハカへのユニークな対抗策を取った。自分たちもハカを踊ったのだ。
マンスターにいた4人のニュージーランド出身選手が歩み出て、オールブラックス(ニュージーランド代表の愛称)の選手より先にハカを始めると、観客は大喝采。これが功を奏したのか、チームは1978年の金星を再現する寸前までいったが、ウイングのジョー・ロコココに決勝のトライを許し、16─18で敗れた。
■微動だにせず――2008年、ウェールズ
同じく2008年の遠征では、ウェールズ代表も斬新な対策を披露した。彼らがやったのは、ハカが終わった後も動くのを完全に拒否することだった。
その結果、両軍のにらみ合いは数分にわたって続いた。主審は両チームの主将に試合を始めようと促したが、どちらもまばたきすらしない。そうした緊迫ムードの中で始まった試合だが、開始前の茶番はウェールズの助けにはならなかったようで、チームは9─29で大敗した。
■完全無視――1996年、オーストラリア
1996年のニュージーランドとオーストラリアの対抗戦、ブレディスロー・カップでは、オーストラリアが相手の挑戦状に向き合おうとせず、ハカを完全に無視してウオーミングアップを続けるという手に打って出た。オーストラリアは1991年にも、デビッド・キャンピージが列を離れ、ハカを無視してキック練習を始めていたが、これを思い起こさせるものだった。
すると、自分たちのホームで無礼なことをされたと感じたオールブラックスは、かつてないほどに大激怒。これが発奮材料になったのか、43─6でオーストラリアを粉砕した。豪主将のジョン・イールズは後に、あのときの行動が一番悔いが残ると振り返っている。
■くさび形で前進――1989年、アイルランド
ハカに初めて真正面から対抗した例として知られるのが、1989年のアイルランドで、このときの彼らは逆V字のくさび形の陣形を取ってオールブラックスへにじり寄り、両チームの主将が目と鼻の先で向き合うところまで近づいた。
ハカが終わると両者は言葉を交わしたようで、それを受けてアイルランド主将のウィリー・アンダーソンは、跳び上がるようにして満員のホームの観客をあおった。しかしこうした努力もむなしく、試合はニュージーランドの23─6の快勝に終わった。
■W杯でもくさび形――2011年、フランス
ニュージーランドで行われた2011年のW杯決勝では、今度はフランス代表が、多少足並みは乱れ気味だったが、同じようにオールブラックスに向かって前進し、試合をさらに盛り上げた。
フランスはこれで2500ポンド(約35万円)の罰金を科され、さらにこの出来事をきっかけに、ハカの間は両チームの距離を空けるという決まりもできた。フランスもまた7─8で惜敗し、試合に勝つことはできなかった。
■殴り合い上等――1997年、イングランド
ハカへの対抗策が、実際の殴り合いに発展しそうになったのが1997年で、このときはイングランドの血の気の多いフッカー、リチャード・コッカリルがニュージーランドのノーム・ヒューイットの目の前に行き、ヒューイットがハカを踊っている間ずっと何事かをつぶやいた。
二人は額をぶつけ合うようにして向き合っていたが、イングランドの主将が両者を引き離し、ヒューイットを押し戻して何とか無事に試合が始まった。
■食い気味に自分たちも――2003年、トンガ
2003年のW杯オーストラリア大会では、トンガがニュージーランドのハカとほぼ同時に自分たちの戦いの踊り「シピタウ」を披露し、相手のお株を奪うパフォーマンスで観客を喜ばせた。
本来はハカが終わるまで待ってからお返しをする予定だったそうだが、相手が「カ・マテ」と口にした瞬間、トンガの選手も同時にシピタウを始めていた。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2019/11/01-08:41)
2019.11.01 08:41World eye
Haka challenges-- seven top responses to the All Blacks ritual
England have been fined for crossing the halfway line in their response to New Zealand's haka before last week's Rugby World Cup semi-final.
From ignoring the haka to performing one of their own, opponents down the years have come up with innovative ways to face down the pre-match ritual.
Here are some of the best ripostes to the ancient Maori challenge:
- Do one yourself -
On New Zealand's 2008 tour of the British Isles, Irish provincial side Munster had a unique idea to counter the haka: do one yourself.
Munster had in their ranks four New Zealanders, who stepped out before the All Blacks had a chance to set up the dance and performed a haka of their own as the crowd roared its approval.
The ploy almost worked on the pitch as well -- Munster were just minutes away from replicating their famous 1978 win over New Zealand before a try from wing Joe Rokococo gave the All Blacks a 20-18 victory.
- Don't move a muscle -
Also on the 2008 New Zealand tour, Wales came up with their own innovative response: an absolute refusal to budge after the haka was completed, resulting in a stand-off lasting several minutes.
As both teams stood stock-still facing each other, referee Jonathan Kaplan remonstrated in vain with the captains to get the game started but neither wanted to blink first.
Eventually the game kicked off in an electric atmosphere at the Millennium Stadium but the pre-match antics did not help the home side, with the All Blacks winning 29-9.
- Ignore it -
At a 1996 Bledisloe Cup match in Wellington, Australia decided to completely ignore the haka, performing their warm-up drills in their own half instead of facing up to the challenge.
It echoed a famous moment in the 1991 World Cup when star Wallaby David Campese drifted away and started practising his kicking as the All Blacks laid down the haka.
This riled up the New Zealanders more than any other response to the haka, as they felt it showed disrespect. Perhaps feeling some extra motivation, they trounced the Aussies 43-6.
Wallaby captain John Eales later described the action as his biggest regret.
- The wedge -
The first known counter-challenge to the haka was by Ireland in 1989 when they formed a V-shaped wedge and moved slowly towards the All Blacks until their captain Willie Anderson was nose-to-nose with his opposite number.
Words were exchanged after the haka was finished, whereupon Anderson leapt into the air and whipped up a packed Lansdowne Road crowd to a frenzy. To little avail: New Zealand won 23-6.
- World Cup wedge -
France added extra spice to the 2011 World Cup final in Auckland when they advanced -- slightly haphazardly -- towards the All Blacks during the haka.
The move cost France a fine of 2,500 pounds ($3,200) and prompted officials to lay down regulations separating the two teams during the haka. In the end, France also lost the game 8-7.
- Cockerill's clash -
The closest a haka challenge has come to blows was in 1997 when combustible English hooker Richard Cockerill advanced right into the face of opposite number Norm Hewitt, chuntering away throughout the dance.
The pair clashed heads and had to be separated by England captain Martin Johnson, who pushed Hewitt away as the English went back to receive the kick-off.
- Start yours early -
In the 2003 World Cup, Tonga upstaged the haka by performing their Sipi Tau war dance simultaneously, to the delight of the crowd in Brisbane.
The Tongans were supposed to wait until the haka was complete before starting their response but no sooner had the All Blacks uttered their ka mate, they spontaneously launched into their own dance.
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