分散投資で「稼ぐ力」強化=市場混乱も今期黒字―北林農林中金理事長

今月1日就任した農林中央金庫の北林太郎理事長がインタビューに応じ、「一丁目一番地は稼ぐ力を強化することだ」と語った。外債の運用失敗で巨額赤字が生じた問題を踏まえ、証券化商品や社債、株式などへの分散投資を進めて安定的な収益確保を図る考えを強調。今期の黒字化にも自信を示した。
農林中金は急激な金利上昇で含み損が膨らんだ米欧国債を大量売却し、2025年3月期に1.9兆円規模の純損失を計上する見通し。北林氏は「収益源が(外債に)偏り過ぎていた上、環境変化についていけず経営判断が遅れた」と指摘。今後は「6割近くあった債券を減らし、信用リスク資産の割合を増やしていく。投資する地域や商品も分散する」と説明した。
26年3月期は「足を引っ張る資産はなくなった」とし、300億~700億円の黒字を見込む。トランプ米政権の高関税政策で金融市場は混乱しているが、「ベースの黒字水準はある程度固まっている」と言明した。
機動的な運用を実現するため、財務と投資執行の権限を分離。財務戦略委員会に証券や生命保険業界などから有識者を複数招く方針も示した。法改正を前提に外部理事への登用も検討する。
収益の多角化へ、地方銀行や年金基金向けの資産運用ビジネスに注力する意向も表明。一方で「食料安定供給への責務は重くなっている」とし、農業や食品産業への投融資拡大にも意欲を見せた。
[時事通信社]

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