中国の軍拡は「驚異的」 訪日のNATO事務総長
【東京AFP=時事】北大西洋条約機構(NATO)のマルク・ルッテ事務総長は、中国の軍備拡張は「驚異的」だと述べた。ルッテ氏は、8日から日本を訪問している。≪写真は海上自衛隊横須賀基地を訪問する北大西洋条約機構〈NATO〉のマルク・ルッテ事務総長〈左2〉≫
ルッテ氏は英字紙ジャパンタイムズに7日に掲載されたインタビューで、「中国について甘く考えてはならない」「中国の軍備拡張、防衛産業と防衛力への投資は驚異的だ」と警告した。
ルッテ氏は8日、海上自衛隊の横須賀基地と日本の防衛関連企業を視察。さらに中谷元防衛相と会談し、協力強化を求めた。
ルッテ氏は中谷氏に対し、「NATOと日本は同じ価値観を共有しており、多くの共通の課題に直面している」と主張。
「中国と北朝鮮、ロシアは軍事演習と協力関係を強化し、世界の安定を損なっている。つまり、欧州大西洋地域での出来事はインド太平洋地域にとっても重要であり、その逆も同様だ」「危険性が高まっている世界において、日本とNATOの協力強化が不可欠だ」と訴えた。
中谷氏もルッテ氏の見解に同意した。日本は変化する脅威に対応するため、数年がかりで防衛費を倍増させる計画を進めている。
ドナルド・トランプ米大統領は、主に欧州諸国で構成される他のNATO加盟国に対し、軍事費を増やすよう圧力をかけている。同時にアジア太平洋地域の同盟諸国に対しても、軍備を増強して、対中国および北朝鮮封じ込めで米国を支援するよう求めている。
ルッテ氏はジャパンタイムズのインタビューで、「米国はNATOに対し、(アジア太平洋地域への)関与強化を求めている。北大西洋条約第5条の意味ではなく、NATO内で力を発揮し、互いに支え合うという意味でだ」と述べた。北大西洋条約第5条は、加盟国が武力攻撃を受けた場合、全加盟国に対する攻撃と見なして対応を取る集団的自衛権の行使について規定している。
NATOは近年、インド太平洋4か国パートナー(IP4)と呼ばれる日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドとの関係強化に取り組んでおり、IP4の首脳はNATO首脳会合にも出席している。
ルッテ氏は先週、ジャパンタイムズに対し、NATOは情報共有と防衛産業協力を強化することで、このパートナーシップを次の段階に引き上げたいと考えていると述べた。
日本は欧州諸国との軍事協力を強化しており、昨年11月には欧州連合(EU)との新たな安全保障・防衛パートナーシップを発表した。【翻訳編集AFPBBNews】
最新動画
最新ニュース
-
三菱UFJ元行員、起訴内容認める=貸金庫窃盗事件―東京地裁
-
関税交渉とは「別々に見ていく」=USスチール買収計画で―トランプ氏
-
備蓄米、卸売業者に2761トン販売=3月後半、初回入札の2%―農水省調査
-
不正売却、計506億円=証券口座の乗っ取りで―金融庁
-
焼岳、警戒レベル1に引き下げ=気象庁
写真特集
-
ラリードライバー 篠塚建次郎
-
元祖“怪物” 巨人・江川卓投手
-
つば九郎 ヤクルトの球団マスコット
-
【野球】「サイ・ヤング賞右腕」トレバー・バウアー
-
【野球】イチローさん
-
【スノーボード男子】成田緑夢
-
【カーリング】藤沢五月
-
【高校通算140本塁打の強打者】佐々木麟太郎