2025-04-08 16:24経済

企業倒産、11年ぶり1万件超=24年度、人手不足響き12%増―商工リサーチ

企業倒産の推移
企業倒産の推移

 東京商工リサーチが8日発表した2024年度の企業倒産件数(負債額1000万円以上)は、前年度比12.0%増の1万144件だった。3年連続で増加し、11年ぶりに1万件を上回った。中小・零細企業を中心に人手不足による倒産が急増し、物価高も影響した。
 求人難や人件費高騰など人手不足が原因の倒産は1.6倍の309件で、13年度以降最多となった。資材などの物価高倒産は2.0%増の700件。コロナ禍で売り上げが減り、実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」を利用した企業の倒産は15.0%減の529件だった。 
 産業別では、全10分野中8分野で倒産が増加した。円安に伴うコスト上昇が響き、建設業が9.3%増の1943件。製造業は17.1%増の1179件だった。一方、価格転嫁が進む運輸業は3.8%減の424件となり、4年ぶりに前年度を下回った。
 負債総額は3.6%減の2兆3738億円と3年連続で2兆円を超えた。同時に発表された25年3月の倒産件数は前年同月比5.8%減の853件、負債総額は30.6%減の985億円だった。
 トランプ米政権の高関税政策の影響が懸念されており、商工リサーチは今後の企業倒産の動向について「緩やかな右肩上がりになる」とみている。

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