植物の「へその緒」組織を発見=収穫量増など応用期待―名大
名古屋大の研究チームは8日、植物が受精後の種子に栄養を供給する「へその緒」に当たる組織を発見したと、米科学誌カレント・バイオロジー電子版に発表した。栄養供給を操作することで、果実や穀物などの収穫量増加への応用も期待される。
被子植物は、おしべの花粉内にある精細胞が、めしべの胚珠にある卵細胞と中央細胞にそれぞれ受精。卵細胞が胚に、中央細胞が栄養分となる胚乳へと成長して種子となる。種子に栄養が送られるのは受精成功後だが、栄養供給を制御する仕組みはよく分かっていなかった。
名大の笠原竜四郎特任准教授らは、受精前後の胚珠とその周囲を詳しく観察したところ、受精に失敗した場合には胚珠の外側にカロースと呼ばれる糖の一種がたまり、栄養をブロックしていることが判明。受精に成功すると分解酵素が作られ、カロースを除去して栄養が供給されることが分かった。また、過剰にカロース分解酵素を作るよう遺伝子を操作したイネでは、約9%大きな種子ができた。
さらに、カロースがたまる部位を詳しく調べると、胚珠と師管(植物が体内で栄養を運ぶ管)がつながる部分に環状の組織があるのが見つかった。この組織が受精後の種子に栄養を供給する「へその緒」となるのと同時に、受精していない場合にはカロースをためて無駄な栄養供給を防いでいることが分かった。
[時事通信社]
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