「脅威」への先制対処=レバノン、シリア攻撃正当化―イスラエル専門家
【エルサレム時事】パレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマス壊滅を掲げて作戦を続けるイスラエル軍が、隣国レバノンやシリアへの攻撃も強めている。同軍の元高官は、イスラエルが2023年10月に想定外のハマスの奇襲を受けた経験から、国境地帯で「脅威」があると見なせば先制的に越境攻撃する方針を取っていると正当化した。
イスラエル軍情報部門の元幹部で、現在はシンクタンクのエルサレム戦略・安全保障研究所代表を務めるヨセフ・クペルバセル氏は3日、エルサレムでインタビューに応じた。
同氏は、ハマスに連帯を示すレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラへの攻撃について「イスラエルは、テロ攻撃の計画が分かった段階で即座に行動を起こしている」と主張。「レバノン政府の誤りはわれわれが正す」とも話し、レバノン側がヒズボラを制止できなければ攻撃のみならず、レバノン南部へのイスラエル軍駐留も終わらないとの見通しを示した。
また、国際テロ組織アルカイダの流れをくむ旧反体制派「シャーム解放機構」(HTS)を率いてきたシリアのシャラア暫定大統領について、「(イスラエル当局は)依然、過激なイスラム主義者ではないかと疑っている」と説明。「シリアの首都ダマスカスや中部を統治するのは構わない。しかし(イスラエルに近い)南部に敵対勢力が展開するのは容認できない」と語った。
イスラエル軍は、昨年12月のアサド政権崩壊後に発足したシャラア氏率いる暫定政権の動向を警戒する。軍事拠点などシリア各地で空爆を行い、占領地ゴラン高原を含むシリア南部に部隊を展開させている。
クペルバセル氏は、イスラエルの安全保障観を変えたハマスの奇襲を「テロリストにとって戦略的な誤りだった」と指摘。先制攻撃の徹底で「同様の事態はガザでもどこでも、二度と起こらない」と強調する。イスラエル軍による多正面での越境作戦は当面続くとみられる。
[時事通信社]
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