ガマ集団自決「悲劇知って」=博物館で再現、戦跡巡りも―沖縄県読谷村

沖縄県読谷村の「チビチリガマ」の集団自決から80年が経過した。当時の状況を語ることができる生存者はおらず、遺族の高齢化も進む。「悲劇を知り、戦争の怖さを知ってほしい」。ジオラマで自決の様子などを再現した地元の博物館は今年、戦跡巡りを開催し、記憶の継承に取り組む。
博物館は、村立歴史民俗資料館をリニューアルする形で2018年にオープンした「ユンタンザミュージアム」。開館当初から生存者の証言を基に、洞窟内の様子を再現したジオラマを2階展示室に設置している。カーテンで仕切られた室内に入ると、子どもの泣き声と空襲音が鳴り響き、自身を殺すよう娘から頼まれた母親が、苦悶(くもん)の表情で包丁を突き付ける人形が展示されている。
博物館は戦後80年に合わせ、同村内の戦跡を巡るイベントを計画している。複数回実施する予定で、コースにはチビチリガマも含まれる。同館学芸員の松田香怜さん(30)は「戦争があった現場で人それぞれ何かを感じてほしい」と話す。
沖縄でも戦争の記憶の風化は進み、チビチリガマでは17年、置かれていた千羽鶴や看板が壊される事件が発生。集団自決の歴史を知らない県内の少年による犯行だった。松田さんは「私たち若い世代が次に伝えていかなければならない。悲劇を知らなかった人に戦争の怖さを分かってもらうことが何よりも大切だ」と訴えた。
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