ジェンダー平等「後退」に危機感=国連ウィメン日本協会の橋本理事長

今年は国連が3月8日を国際女性デーと定めてから50年、ジェンダー平等の実現を目指した北京宣言・行動綱領の採択から30年の節目だ。ただ、3月の国連女性の地位委員会ではトランプ米政権の反多様性政策を念頭に、取り組み後退への懸念が噴出した。国連組織「UN Women」を支援する公式組織、国連ウィメン日本協会の橋本ヒロ子理事長に現状認識と課題を聞いた。
―今年の国際女性デーの振り返りを。
当協会を含めUN Womenを支援する世界13カ国の国内協会はアイスランドの提案で、後ろ向きに行進した。女性の地位は前進してきたが、現状は後退していることを表現した。
―国連のグテレス事務総長も女性の地位委員会で「逆行」に懸念を示した。
確かに難しい状況だ。UN Womenが国際女性デーに当たって行った国際調査では4カ国に1カ国で女性の権利に関する「揺り戻し」が報告されている。特にトランプ政権の影響は大きい。
―具体的には。
米国は対外援助の大幅削減を表明している。この影響で、例えばUN Womenの支援で食料支援や就業支援などを行っているウクライナの女性団体は今後の見通しが立たず、活動できない状況にある。食料支援の停止は人々の生死に関わる問題だ。多くの発展途上国の取り組みも米国の援助で発展してきた。極めて大きな影響がある。
―日本国内の課題は。
依然として非正規労働者に女性が非常に多いことが、女性の貧困の元になっている。非正規労働は不安定で、(自身の人生選択で)さまざまな決断がしにくい。影響は若い時だけではなく、高齢となり年金をもらうようになっても続く。
―どう状況を変えるか。
学校教育や社会全体の考え方の中で(変革を)進めなければならない。それぞれの選択ではあるが、私はフルタイムで働くメリットには、経済的なこともあるし働きがいや自己実現があると思う。女性がフルタイムで働く、男性がもっと家事や育児をする環境をつくるためにも長時間労働の是正を国の旗振りで進める必要がある。
[時事通信社]
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